【大学特集】
横浜の国際性、多様性を校風に反映
横浜国立大学
横浜国立大学は2024年に創基150周年・開学75周年を迎えた歴史のある大学だ。梅原出学長は「横浜の国際性、多様性が校風に反映された大学」と語る。
横浜国立大学の魅力
横浜国立大学は47都道府県と約 80 の国・地域から集まった学生・留学生が「One Campus」で学んでいる横浜の国際性、多様性が校風に反映された大学です。また、教育学部には横浜と鎌倉に五つの附属学校があり、約2000人の生徒が学んでいることも特徴です。
横浜国立大学には三つの源流があり、一つ目は150年前に設置された小学校教員養成所を前身とする師範学校で、今の教育学部となります。二つ目は、1920年設立の横浜高等工業学校、三つ目は1923年設立の横浜高等商業学校で、貿易と商・工業で栄えてきた横浜の歴史に根差し、実学的色彩の濃い、理工系学部、社会系学部へとつながります。
現在は、「One Campus」に教育学部、経済学部、経営学部、理工学部、都市科学部の五つの学部、六つ大学院を展開しています。大学院には都市をテーマとする都市イノベーション学府や、文理融合・異分野融合の教育・研究を実践する先進実践学環などがあります。
社会を輝かせる若い力
私は大学で物理学の研究者として31年間働いてきました。大学に残りたいと考えたのは、物理学の基礎研究がアカデミアでしかできない時代だったからです。初めのころ、大学は純粋な研究機関だと思って研究に没頭していましたが、実際に教員として入ると、学生を指導する役割も大きく、年齢を重ねるにつれて、教育者としての責務を自覚し、教育にも力を入れるようになりました。
現代の若者たちは、SDGs(持続可能な開発目標)について深い理解を持っていると思います。SDGsの実現は地球規模の課題への取り組みであり、国連が提唱している重要な目標です。もし、地球規模の課題に興味を抱き、自分の学びを通じてその解決に貢献したいと考えているなら、是非、本学で学んでほしい。多様な専門性を有する教員が、社会の持続的発展に貢献する「実践的学術の国際拠点」として「知」を創造・実践しています。新興国や途上国などとも共有される課題が先鋭的に現れる地域でもある神奈川・横浜をフィールドとして、人文科学、社会科学、自然科学の基礎をしっかりと学び、各学問分野の専門性を磨いてください。
そして、若い皆さんへ。未来は明るく輝いているべきです。過去30年が失われた30年と言われる中で、それを繰り返さないためにも、皆さんの若い力が必要です。過去の経験から学び、より良い未来を共に作り上げましょう。
横浜国立大学学長
梅原 出
1962年、大阪府生まれ。日本の物理学者。1987年富山大学理学部卒業。1989年富山大学大学院理学研究科修士課程修了。1992年筑波大学大学院工学研究科博士課程修了、横浜国立大学工学部教務職員。2009年横浜国立大学大学院工学研究院教授。2019年横浜国立大学理事・副学長。2021年横浜国立大学学長。
https://www.ynu.ac.jp/