社内の多様性推進で
新たな事業展開を

株式会社Wholelife

インターネット回線や電力、ガスなどのダイレクトマーケティングを中心に展開するWholelife。今吉裕之代表取締役は、女性が活躍できる環境をつくりたいと、社員の男女比を約50%にし、個性を認め合えるチーム作りを目指して、人事評価に360度評価を取り入れるなどのオープンコミュニケーションに取り組んでいる。今吉代表が「ダイバーシティー(多様性)&インクルージョン(包摂)」を推進する理由を聞いた。

01

Z世代が安心して働ける環境を

同社では、今吉代表の「これからを担うZ世代の社員たちが、将来安心して働ける環境を作りたい」という考えから、女性が出産などでキャリアをあきらめることがないよう、休職前の役職で復帰できる制度や、リモートワークを積極的に取り入れ、キャリアダウンせずに子育てと仕事を両立できる環境を整えている。

さらに、「社員一人一人の個性が抑圧されることなく、個性を認め合えるように」と、オープンコミュニケーションを推進。今吉代表も含めた全社員の給与を公表したうえでの360度評価を採用した人事評価制度を取っている。全社員の給与を公開する理由を「給与額が分からなければ、その人の仕事が給与に見合ったものなのか、判断が難しくなります」と説明する。

オープンコミュニケーションの一環で、個人のプライバシー以外、会社の機密情報なども全て公表している。今吉代表は「社員全員が情報を共有しているので、私が何かを新しいことを始めたいと言っても動きが早い。社員が納得して仕事をしてくれていると感じる」といい、「社内の透明性を担保することがステークホルダーの信頼にもつながっている」と胸を張る。

02

“売る力”で新たな事業に

今吉代表は20代で、実家が経営していた建設会社に入ったが、「目先のお金を遊びに使ってばかりいて、借金まみれで、自分でもどうしようもなかった」と苦笑する。30歳になって、ある本に書かれていた「小さなことができない人間が大きなこともできるはずがない」という一節に感銘を受けて一念発起し、「規則正しい生活をする、という本当に日常の小さなことを積み重ねる」ことから再スタート。大手通信回線の営業代行会社に転職して半年ほどで、結果が付いてくるようになり、最終的には役員に就任した。

今吉代表は「しっかりとした日常生活を送れている、ということが自分の自信につながっていたのかもしれません。元々劣等感の塊でしたが、自信が生まれて、劣等感が減った結果、人とのコミュニケーションがうまくいくようになり、売上につながっていった。頑張って正しく努力していたら、自信が付くようになる。自分にとっては劣等感を減らすことが、生きるということだと思っていますし、社員にも同じようにたくましく生きてほしい」と語る。

ダイレクトマーケティング事業では、再生可能エネルギーをエンドユーザーに提供する外資系新電力会社の一次代理店としての営業も新たに始めた。今後も主軸は変えずにいたいという今吉代表は「我々自身の“売る力”というものはどんなものに対しても変わらないはず」と新たな事業へも意欲を見せる。

誰もが違いを認め合い活躍できる環境が、同社を成長させるという今吉代表。ダイバーシティー&インクルージョンの推進が新たな事業展開につながっていく。

株式会社Wholelife代表取締役

今吉裕之

1975年、大分県出身。1993年、18歳で実家の建設会社に入社。2009年、大手通信回線の営業代行会社へ転職。同社役員を経て、2018年、株式会社Wholelifeを設立、代表取締役に就任。

https://wholelife.jp/