金融知識を深めて
日本人の資産を守る

渡辺ゆうき

物価高や円安の影響で資産が減っていくのは、金融リテラシーの低さにあるという。「状況が好転する要素がない中、自身の資産を守るには自分が対策を講じるほかない」と語る個人投資家、資産設計アドバイザー渡辺ゆうきさんに聞いた。

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待ったなしの資産対策

急速な円安や物価高が家計を圧迫する日々が続く中、大半の人が「仕方のないこと」だとあきらめ、苦しい日々を耐え忍んでいるが、渡辺さんは「多くの人が日本円建てで全財産を持っていて、円の価値が下がっているということは、ただただ資産が減っている状態なんです。その対策として、『外貨を海外で持つ』というのも一つの手段です。今や渡航する必要もなく、日本語のみ、インターネットのみで出来る対策も多々あります。やり方さえ知っていれば対策を講じることができることも、知らないが故にそのままにしている。日本人特有の金融知識のなさが問題の根底にある」と指摘する。

2020年までは個人的な資産運用をメインに活動していた渡辺さんだが、この3年は個人向けやセミナーを開催するなど金融知識のアドバイスをするようになったという。「周りで『お金が減る』とか『金融詐欺に遭った』という人があまりにも多くて、アドバイスをするようになりました。簡単な手口の詐欺に引っ掛からないようにするとか、苦労して貯めたお金を、増やせなくとも、ちゃんと守れるような持ち方など、最低限の知識は必要です」と語る。

渡辺さんは「この2年で円の価値が下がり、物価高の影響などから出費が30%増えて、給料が1円も増えていなかったら、これは給料30%カットと同じことなんです。『節約してもなぜか出費が多くて、全然貯金ができない』という人が多いのですが、冷静に考えたら当たり前。日本円で払って物価が上がっているから、手元に残るお金は少なくなる。急に円高になったり、国力が上昇しそうな兆しはなかなか無さそうですし、個人個人が対策をしていかないと、貯金も守れない事態になってしまいます。2024年のこの時期には新札への切り替えもあるので、対策は待ったなしの状況です」と語る。

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日本人の金融リテラシーの底上げを目指す

日本では2022年4月からやっと高校の家庭科の授業で金融教育が必修化されたが、社会人の金融リテラシーは世界に比べてかなり低く、どこで何から学べばいいのかも分からないまま社会人になってしまっており、誰を頼っていいかも分からないという人も多いのが現状だ。

渡辺さんは「5年、10年スパンで考えて、日本経済は停滞していて円の価値が下がるしかないような情勢なので、2020年の春頃から『円安に備えて、ドルも持った方が良い』とか、『海外で持つことも考えるべき時代』とお伝えしてきましたので、多くの方に感謝の声をいただきました」と胸を張る。

そして「やっぱり世の中の役に立つことをやりたい。日本が危機に陥っている元凶は、日本人の金融の知識のなさだと思うし、金融リテラシーの底上げに貢献していけたらと思っています。知識がないことで何もできない多くの人たちに向けて、知識を深めるきっかけや選択肢を与えられるように、これからも広く浅く多くの方に向けて啓発していきたい」と語る。

来る者は拒まず、相談に来る人には親身になってアドバイスを行いながら、日本人の金融リテラシーアップに貢献している。

渡辺ゆうき個人投資家、資産設計アドバイザー

渡辺ゆうき

長崎出身。長崎県立大学大学院博士前期課程を修了後、大手製薬会社の臨床開発職に携わる。体調不良のため退職後、オンラインビジネスを始め、インターネットのマーケティング業界に参入。金融の知識を深める。2020年から資産設計アドバイザーとして、金融知識を活かしてさまざまな人々に情報を提供する。

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