“治す”を超えて、
健康を支える場所へ

つくる整形外科 祐天寺駅前スポーツクリニック

スポーツに励む中高生から、健康な身体づくりに取り組む高齢者まで、幅広い世代が通う「つくる整形外科 祐天寺駅前スポーツクリニック」。自衛隊所属の整形外科医として長いキャリアを持つ中谷創院長に、診療方針や今後の展望を聞いた。

01

患者の数だけ、最適な治療がある

中谷院長は自衛隊中央病院で整形外科専門医・スポーツ整形外科医として勤務し、多くの実績を積んできた整形外科のスペシャリストだ。診療において常に心がけているのは、「患者一人ひとりに最適な治療を提供すること」。

その信念の背景には、自身の高校時代の経験がある。ひざを負傷しながらも、手術ではなくリハビリを選び、ラグビーを続けた。「手術が最善だと分かっていましたが、長期の離脱は避けられません。限られた高校生活の中で、少しでも多く仲間とプレーしたいという思いが強かった。その気持ちを担当医が汲み取り、リハビリを軸に競技を続ける選択ができました」と振り返る。

この体験も後押しし、医師の道を志した中谷院長は、開業前にはラグビー日本代表の海外遠征に帯同し、選手のサポートや自衛官の健康管理にも従事した。そうした現場で実感したのは「医学的にベストな治療が、必ずしも患者や選手にとって最善とは限らない」ということだった。

選手が試合に臨む場面では、トレーナーやコーチと連携しながら、リハビリやコンディショニングの内容を調整し、ベストパフォーマンスを引き出す方法を模索してきた。「理想の治療法があっても、実際には出場を休めない選手もいます。そういったケースでは、負荷を抑えたリハビリで対応するなど、状況に応じて柔軟なアプローチをとってきました」と語る。

このような考え方は、現在のクリニック運営にも生かされている。開業のきっかけは、手術後のリハビリが十分に行われていない現状を改善したいという思いからだった。「従来の整形外科では治療後に電気を当てるだけで、具体的なリハビリが行われないケースが多く、それでは患者さんが本当に求める回復にはつながらないと感じていました」と語る。

現在のクリニックでは、リハビリ環境を整えるだけでなく、院長自身も積極的に治療に関与。患者の生活背景や希望を丁寧に聞き取り、一人一人に適した治療法を提案している。「ひざの痛みと一言でいっても、原因や背景は人それぞれです。画一的な対応ではなく、個別に最適な方法を導き出すことを大切にしています」と中谷院長は強調する。

02

地域の健康づくりの拠点を目指して

中谷院長が掲げるクリニックの使命は「患者が健康で楽しい毎日を送れるよう支援すること」。リハビリを中心とした治療の提供にとどまらず、患者が自ら健康を管理できるようになることも目指している。「目標は、患者さんが単に健康を取り戻すだけでなく、その先の生活をより良くすること。痛みの軽減はもちろん、日常動作やセルフトレーニングの方法を伝え、再発予防や健康維持につなげたいと考えています」と力を込める。

またスポーツによるけがの予防にも注力する予定だ。特に中高生を対象としたプログラムを重視し、学校の部活動や地域のクラブチームとの連携も視野に入れている。「若い世代に対しては、正しい身体の使い方や動かし方を早い段階から指導していくことが重要です。リハビリ室で一緒に身体を動かすような、気軽に始められるプログラムから取り組んでいきたいですね」と語る。

クリニックには理学療法士やアスレチックトレーナーなど、各分野の専門スタッフが在籍。選手の競技復帰から高齢者の再発予防まで、医学的知見と実践的アプローチを融合した高度なリハビリプログラムを提供している。必要に応じてパーソナルトレーニングや自費診療も組み合わせ、一人ひとりの身体状況と目的に応じた精度の高い治療を提供している。治療にとどまらず、予防や健康維持の場としてクリニックを位置づけている点が特徴だ。

「私たちの役割は、単に症状を治すだけでなく、生活全体を支えることにあります。例えば以前、膝の痛みで通っていた患者さんが、現在では体調維持を目的にリハビリを継続しているケースもあります」と、柔軟な対応の重要性を語る。

今後の展望として、中谷院長はより地域に根ざしたクリニックを目指している。「患者さんが自分でできる健康管理法を身につけ、日常生活で実践できるよう支援していくことが、私たちの使命です。これからも地域の皆さんの役に立てるよう、日々努力を重ねていきます」と語るその言葉には、確かな信念と地域への思いが込められていた。

つくる整形外科 祐天寺駅前スポーツクリニック院長

中谷 創

防衛医科大学校卒の整形外科専門医・スポーツドクター。元陸上自衛官で、早大ラグビー部やラグビー日本代表の遠征に帯同しワールドカップにも携わる。自衛隊とトップスポーツでの豊富な経験を活かし、2022年「つくる整形外科 祐天寺駅前スポーツクリニック」を開院。

https://tsukuruseikei.jp/