オンライン大学で
新キャリアの開拓

CFO付エグゼクティブ・アシスタント

経営コンサルタント、大前研一氏が学長を務めるビジネス・ブレークスルー大学(BBT大学)は2010年4月、グローバルに活躍できる人材の育成をコンセプトに開校した。働き方の多様化が進み、キャリアアップや起業などを目的にしたリカレント教育の必要性が広まる中、オンラインのみで経営学の学士を取得できる日本唯一の大学として、注目度が高まっている。ドイツ・デュッセルドルフ在住のバウワー友香理さんは「同大学で学ぶことで変わることができ、大きな自信を持つことができました」と語る。

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年齢、職業も多種多様な仲間と切磋琢磨

 バウワーさんは小学校高学年から中国・上海で過ごし、中学・高校時代はドイツで過ごした。高校卒業まであと1年というところで日本に帰国したが、日本の高校に移ることが難しく、働き始めたという。数年間日本で働いた後、一足先に戻った家族を追って再びドイツへ移住。現在も勤務している日系企業に就職することができたものの、学歴コンプレックスを持ち続けたままだったというバウワーさんは周りの勧めもあり、日本の通信制高校を卒業した。その後、大好きな子供と関わる仕事をしたいと思い、ドイツの大学で学ぶことを検討したが、日本の高校卒業資格ではドイツの大学の入学要件を満たさず、もう1年就学が必要であることが分かった。そこで、日本のオンライン制大学に1年通い、ドイツの大学に編入しようと考え、海外からでもオンラインで学べるBBT大学に2018年、入学した。

 「BBT大学の授業は楽しく、刺激的なものだった」というバウワーさんは、「詰め込み型だった高校とは全く違い、能動的に勉強することがこんなに楽しかったのかと驚きました。特にディスカッション形式の授業は、まるで教室で授業を受けているような臨場感あふれたもので、次第にエアキャンパスで交流している先生方や学友に会いたい、同じ空間を共有したいという思いが強くなり、対面とオンラインの融合で実施されるフィードバック講義やセミナーが開催される度に帰国していました。そしてBBT大学で卒業まで学び続けようと決意しました」と振り返る。

 実務経験豊富な講師陣によるビジネスの実学をオンラインで学べるとあってBBT大学には多くの社会人が通っており、バウワーさんの同期も10~60代まで年齢も職業も多種多様だった。「仕事をしながら学ぶ、という大変さをお互いに分かり合えるので、支え合いながら、切磋琢磨できる。オンラインの弊害を感じることもなく、お互いに励まし合うことができたのも続けられた秘訣だと思っています」と語る。

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人間が変わるための「三つの要素」が全てある場所

BBT大学の学びから、自分の強みは「日本やドイツなど多様な環境で育った経験」だと気付いた。その原体験を生かして、両親が異なる国籍や、保護者の海外赴任などで、「複数言語・複数文化」の中で育つ「複言語キッズ」と呼ばれる子供たちと、その保護者が抱える葛藤や課題などをサポートする活動を進めていきたいと思うようになった。自身の原体験を生かすことで「私だから生み出せる価値」を発見することができたのだ。

卒業後、ヨーロッパに住む子供と保護者を対象にした「欧州日本語親子キャンプ」をドイツ・デュッセルドルフで企画、各国から14人の子供たちとその保護者が参加し、大成功を収めた。「今後も複言語キッズたちに一番近い存在として心に寄り添い、仲間づくりや安心できる場づくり活動を継続していきたい」と意気込む。

バウワーさんは「ビジネスに使える実践的な学びのほか、『私はこの先、どうしたらいいんだろう』という初心に立ち返って考えられるようなカリキュラムも多く、“できること”から“やりたいこと”に自分の行動の軸が変わったのはBBT大学だったからこそ。最初は『自分にできるのかな』という思考が先に立っていましたが、先生方や仲間たちのおかげで、『やりたいならきっとできる』というマインドに変われた。皆さん、何かチャレンジをしている人ばかりでしたから」と明かす。

自分の強みを生かした活動の一方で、バウワーさんは卒業後のキャリア支援としてビジネス・ブレークスルーが提供する法人向けの研修資料作成のサポートやビジネスアウトプットGYM(ジム)のインストラクター、BBT大学の「問題解決ケーススタディ」という講座のアシスタントなどを務めている。バウワーさんは「『私で大丈夫かな』と不安にもなりましたが、これまでBBT大学で学んできたことを今度は学生のアウトプットを引き出すサポーターとして生かし、自身の学びもさらに深めていけるのではと思い、引き受けました」と話す。

卒業後、本業の上司から仕事のアウトプットが変わったと言われることが増えたというバウワーさんは「『他人の答えを探すのではなく、自分の答えを創ることが重要』だとBBT大学で学べたからだと思います」という。また、「大前学長の『時間配分を変える、住む場所を変える、付き合う人を変える。この三つの要素でしか人間は変わらない』という言葉が印象に残っています。聞いたときはあまりピンときませんでしたが、今振り返ると、これらすべてがBBTの大学生活にありました。特に、先生方や仲間と出会えたことは、私の財産です。そして、私は変わることができ、大きな自信を持つことができました。BBT大学はキャリアを構築したい、自分を変えたいという方には最適な場所で、まだ見ぬ自分に出会えると思います」と力を込める。

100%オンライン受講となる超実践型プログラムに加え、志を持つ仲間とも出会えるBBT大学。バウワーさんのように自分を見つめ直し、新たなライフキャリアを切り開く人材が続々と生まれることだろう。

CFO付エグゼクティブ・アシスタントTMD Frictionグループ

バウワー友香理

1986年、東京都出身、中国・上海やドイツで育つ。ドイツ・デュッセルドルフに在住しながらビジネス・ブレークスルー大学経営学部ITソリューション学科で学び、2021年9月に首席卒業(FA18)。現在、自動車用ブレーキメーカー「TMD Friction」グループCFOのエグゼクティブ・アシスタントを務めながら、複数言語・複数文化の環境で育つ子供たちの成長に貢献することをライフワークとしている。