矯正治療がつなぐ
笑顔と幸福歯学
医療法人社団寺田矯正歯科
1983年、富山県で初めての矯正歯科専門医院として高岡市に開業した寺田矯正歯科。それ以来40年以上にわたり、矯正治療を通じて患者の笑顔と幸せを育んできたのが、寺田康子院長だ。「幸福歯学の提供」を理念に掲げ、心に寄り添う治療を実践しながら、次世代へと“笑顔の連鎖”を広げていく。その想いに迫る。
矯正歯科を通して笑顔を届ける40年の歩み
開業当初、矯正治療は今のように広く認知された分野ではなかった。そんな時代に「東京ならいざ知らず、富山で矯正なんて患者が来るわけがない」と、周囲の先輩歯科医から反対されたと寺田院長は振り返る。それでも、信念を貫き続けた結果、患者は次第に増えていった。開院以来、これまでに治療した患者は約8,000人に上る。寺田院長は「人前で笑えるようになりました」と語る患者の声に触れるたび、「この道を選んで本当によかった」と実感していると話す。
同院では子どもの矯正治療だけでなく、大人の矯正も多く手がけている。20代から治療を始める人はもちろん、60代で矯正に取り組むケースも少なくない。寺田院長は「お子さんの場合は、永久歯がすべて生えそろう前に始めてしまうと、治療期間が長くなりがち。タイミングを正しく見極めることが重要です。一方で大人の方は、ご本人が本気で治したいと思ったときこそが、最適な開始時期。その人にとって最も負担が少ない治療法を提案するよう、常に心がけています」と説明する。

そもそも寺田院長が矯正歯科に興味を持ったのは、大学時代のこと。ある日、授業中に教授から「君は反対咬合だろう」と指摘されたのがきっかけだった。「口の中を見せたわけでもないのに、なぜわかったのか」と尋ねると、「発音に特徴がある」と返された。発音と歯並びの密接な関係を初めて知った瞬間だったという。当時は「矯正は子どもが受けるもの」という風潮が根強かったが、実際に自ら治療を受けたことで、その考えは大きく変わった。「ワイヤーを外した日、窓に映る自分に向かってにこっと笑っていました。食事もおいしく感じて、特にイカのお刺身。以前は苦手でしたが、ただ噛めていなかっただけだと気づいたときの衝撃は、今でも忘れられません」と回想する。
好き嫌いの多くは、「正しく噛めないこと」に起因している。矯正治療は単に歯並びを整えるだけではない。発音や食事、そして人生そのものを変える力がある。「自分の経験はもちろんですが、自信がなくて人と話すことに消極的だった方が、『堂々と話せるようになった』とおっしゃったり、小学生のお子さんの親御さんが『最近、うちの子が笑うようになったんです』と伝えてくださったり。歯並びが心にも深く関わっていることを、治療後の姿から改めて実感します」と、改めて語る。
「幸福歯学」が描くこれからの矯正治療
こうした想いから、寺田院長が特に大切にしているのが「初診相談から治療開始までの時間」だ。「矯正治療は長期間にわたります。患者さんと歯科医師の双方がしっかり納得したうえで始めなければ、誰も幸せになれない。特に大人の方は、心の奥底にある本当の悩みやコンプレックスを、なかなか口に出してくれません。だからこそ、できるだけ心を開いていただけるように、丁寧に耳を傾けています」と思いを込める。
この方針を体現するように、同院では「トリートメントコーディネーター」という役職を設けている。人生経験が豊富な元歯科衛生士が、初診時に専用の個室で約1時間、丁寧に相談に乗る仕組みだ。治療開始までのプロセスにも同席し、費用面などもしっかりと説明する。寺田院長は「寄り添うというのは、ただ治して支えるだけでは不十分。その方にとって一番心地よい寄り添い方を見極めること。それをスタッフ全員にしっかり伝えていきたい」と語る。

同院のコンセプトは患者さんへの「幸福⻭学の提供」。歯科医師やスタッフにもその理念を浸透させ、次世代へと笑顔の連鎖を広げていきたいと寺田院長は意欲を見せる。「かつて矯正治療は難しくて手を出せないという先生も多くいましたが、装置や技術の進化により矯正歯科は一気に広がりました。しかしその一方で、トラブルや倫理的な問題も増えています。他院での治療に不満を抱えて来院される患者さんも少なくありません。だからこそ、正しい知識と技術を持ち、人生の価値を高める治療を広めたい」と意志を示す。その一環として、若手歯科医師の育成にも注力。週に一度の休診日を活用し、院内での研修を実施している。また、治療を終えた患者に対しては、歯並びの維持を目的としたメンテナンスと予防歯科の重要性を丁寧に説明している。「矯正歯科治療で通院する期間で健口寿 命の延伸につながればうれしい。」と、治療の先にある患者の未来を見据えている。
情報があふれる現代においては、誤った知識を持って来院する患者も増えている。そんなデジタル化の波も相まって、同院では診療体制の全面的なデジタル移行も進めているという。「これから日本人の顔立ちも少しずつ変化していくのではと感じています。40年前に開院したころ、3歳児検診はむし歯だらけ。ですが、今ではほとんど見かけません。ただし、教科書に載っているような正常咬合のお子さんは減ってきています。今後は保険適用の範囲も見直されるかもしれません」と将来を見据える。しかし、どれほど時代が変わっても、寺田院長の信念は一つ。「笑顔や自信が生まれ、それが力強さへとつながる。その積み重ねこそが、人生にとって最も価値あるものだと信じています」と言葉に力を込める。「幸福歯学」という理念のもと、全国の矯正歯科医師や大学と連携しながら、これからも患者に“幸せ”を届けていきたいと力強く語る。
医療法人社団寺田矯正歯科院長
寺田康子
1953年、富山県高岡市出身。1978年に新潟大学歯学部を卒業。同大矯正学教室に入局し、附属病院に勤務。1983年に富山県初となる矯正歯科専門医院として、富山県高岡市南幸町にて寺田矯正歯科を創業。1988年、高岡市泉町に移転。
http://www.terada-ortho.jp/