尽きない情熱を胸に
テニス業界に革新を

テニビズ株式会社

今や配信サービスで世界のトップ選手の活躍が視聴できるテニス。25万人以上の登録者数を誇るメディアもある一方、プレー人口は減少傾向にあると指摘されている。そのような現状を分析し、あらゆる角度からテニス業界に向けた取り組みを行うのがテニビズ株式会社だ。満岡英生・代表取締役社長にテニス業界を盛り上げる同社の取り組みを聞いた。

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テニス業界再興を目指して

同社のコア事業はテニススクールやテニス業界団体など、テニス関係事業向けのコンサルティングだ。具体的には、テニススクールの会員増加を図るマーケティング支援、支配人などのマネジメント人財の育成などで、強みは、テニスビジネスに特化した包括的なサービスの提供にある。持続可能な収益構造の構築、事業拡大戦略の提供、ITを活用した市場や事業分析など、多岐にわたる領域に携わっている。

同社創立の背景には、深刻なテニス業界の課題があったという。満岡氏は「例えば、テニス人口の減少。ピーク時は1000万人といわれていた人口が、新型コロナの影響を経て、2024年時点で約312万人になってしまったのです。減少の要因としては、参考となる事業やビジネスモデルの少なさや、テニスを始める際の難しさなどが挙げられます。この現状に対し、テニス人口1000万人復活戦略を立案しています。テニスの新規体験者の増加策、テニスの継続策、テニス愛好者のテニスからの離脱の抑止策、過去テニス愛好者だった方の復帰促進策の4視点からアプローチすることを考え、既に取り組まれている各事業者や関係団体との協業や協力により、これらを自走型ビジネスモデルになるよう、さまざまな角度から挑戦をし続けています」と話す。

また、現在進行形で進めているのが、テニスを活用した社会的課題への解決モデル事業の立ち上げだ。国内においても大きな課題となっている社会保障費(医療費、介護費)の年々の増加、シニア層におけるQOL向上のほか、テニス界におけるシニア層のテニス人口の減少などの課題に対して、確固としたエビデンスと信念をもって提案することが核となるという。「特に自治体にとって財源は大切な要素。予算に関する姿勢は各自治体によって異なりますが、健康寿命の延伸や健康増進などは共通意識としてもっているケースが非常に多い。そこで、私はテニスの健康維持・増進の側面からアプローチを行っています。実は、テニスは健康寿命を9.7歳伸ばすという世界的なエビデンス研究があり、シニア層も十分に楽しめるスポーツなのです。これらの価値を提供し財源が確保できれば、テニススクールがシニア層に比較的安価にレッスンを提供することもできるためWin-Winの関係になる。こうして協業の輪が広がることを信じ、毎日歩み続けています」と説明する。

加えて、シニア層だけでなく、数年前から、日本テニス協会内にて「学校授業×テニス」という視点で、山梨学院短期大学の今井茂樹先生によって開発された小学校体育授業向けプログラムとして、「テニピン」の普及戦略を担った。「少子化が進んでいる日本ですが、小学生は当時の数値で、ひと学年約100万人、全学年で約600万人でした。その内の2、3割に興味を持っていただければ、自動的にテニスを始める仕組みができるだろうと見込んでいました。現在では、日本テニス協会普及委員のメンバーが一生懸命取り組まれているおかげで、現状では約11%(机上の計算で66万人)ほどがテニピンに触れているそうです。今では各小学校での認知も広がりつつあり、自走できるほどになったので、ジュニア層からのテニス愛好者増加も非常に期待しています」と語る。

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ビジネス×テニスで革新を

「テニス業界を盛り上げ、かつ持続可能性を保つためには、スポーツとしてのテニスという視点とビジネスの論理の双方が不可欠だ」と話す。テニスの世界はプレーの実力で勝ち取る世界で、一方ビジネスは価値を創出してこそ報酬が得られる。だからこそ、この二つの価値観の間で誤解や衝突が生まれることも少なくない。そこで、満岡氏は「テニスビジネス人財」の育成に注力している。テニスの世界とビジネスの世界を理解し、双方の架け橋として通訳者を務める人財を増やすことが使命だと語る。「それぞれの世界で情熱を持つ人々が多くいるため、この融合がかなった際にはテニス業界に革新をもたらすことができる。その確信があるからこそ、スクール、事業者、あるいは新規事業参入者など、テニスビジネス、テニス業界の魅力をもっと伝え、テニスに関わる人々をより広く、より多く支援していきたい」と意気込む。

満岡氏も学生時代はテニスに情熱を燃やしていた。社会人になった後もテニスへの思いは尽きることがなかったからこそ、今の同社がある。「『テニスビジネス人財』を増やすためには、私が前面に立ち続け、一つ一つの目標を実現してみせることが欠かせません。当社が『テニスビジネス人財』育成のモデルケースになることができれば、業界に人が増えていく。ゆくゆくはライバルが立ちはだかるほどになってほしい。競争を通じて革新がもたらされると思う」と力を込める。

同社の理念は「競争から競創へ」。「競争」から良きライバルが生まれ、共に市場を創る「共創」へと発展、その後、さらにライバル同士が市場を競争で磨き上げる「競創」という想いを理念に込めている。満岡氏は「この業界における『テニスビジネス人財』の注目度はまだ低く、それゆえに大きな可能性を秘めているといえる。だからこそ、開拓の余地が大きく、魅力的な市場です。今後も事業を通じてテニス業界へ貢献し魅力的なテニス業界を未来へと渡せるよう、前進し続けたい」と挑戦を続ける。

テニビズ株式会社代表取締役社長

満岡 英生

シャープ株式会社に入社後、営業、企画、戦略立案の経験を活かし、子会社設立。その後、テニススクールへ転職。事業の立ち上げや運営、会社内ではブランディングや人財育成に携わる。後に、日本テニス事業協会でマーケティング講師、日本テニス協会でマーケティング本部常務理事などを歴任。

https://www.tenibiz.com/