全部やるスタイルで
独立志望者の手本に
合同会社Straid
売上高10億円以下、従業員数50人以下の中小企業をがターゲットに、マーケティングからビジネスデベロップメントなど幅広い領域の支援を展開している合同会社Straidは、「全部やるのが自分のスタイル。企業内起業や独立志望の手本になりたい」という武林勝太郎CEOに意気込みを聞いた。
モデルを作って提案する
武林CEOは独立当初、フリーランスとして、マーケティングコンサルタント事業を受託していたが、事業の広がりに合わせて2022年6月、合同会社Straidを設立した。「元々サービスを立ち上げてはバイアウト(売却)を繰り返していて、マーケティングからビジネスデベロップメントにも手を広げていくことにした」といい、さらにサービス企画やデータ活用の相談、バックオフィスのDX化など幅広い領域にも対応している。
フリーランス時代は、大手企業からスタートアップ、零細企業まで大小にこだわらず業務を受けていたが、今は売上高10億円以下、従業員数が50人以下の中小企業をターゲットにしている。「大手企業だと、大きなプロジェクトを立ち上げても机上の空論で終わってしまうことが多いため、よりフレキシブルに動ける中小企業の受託を中心にするようになった」と話す。
コンサルティング事業では、アイデア出しやレポート作成などの業務は一切行わず、ウェブやチラシのデザイン、システム開発やWeb制作、経営戦略の立案や予算提案まで行っている。「基本全部やるのが自分のスタイルで、動く経営企画とよくいわれます。それができないから困っている企業が多いので、まず自分で動いてモデルを作って、それを提案する方がスムーズに話が進みます」と語る。
また「普通のコンサルタントだと、一つのプロジェクトを長く、継続的に、という考えもありますが、手離れさせた方が絶対によいと思っていますので、社員教育に近いようなことも多い」と明かす。さらに、最初に全部のファクトを洗い出すことを重視しており、「一般的な企業だったら、何かしら生み出したものがあるはずなので、それを一つずつ全部洗い出した上で、何ができるか、今までのレガシーの中で何が活用できるかも含めてマーケットの分析を進めていく」という。新しい事業のアイデアはあるが、どの市場を攻めたらよいのか分からないといった場合は、実現できるか、経理や税務、法務などのバックオフィスのデータを見せてもらうこともあるという。
一度自分でやってみるとうまくいく
精力的に活動する武林CEOだが、「ぶれないパフォーマンスのために、モチベーションは持たないようにしている」と語る。
「元々ジャズミュージシャンで、学歴や職歴がある人生ではないので、何ごとにも批判から入って動いていくのが自分のスタイル」といい、全て自分で動くということについて「可能かどうかは考えない。とりあえずやれば、6〜7割の理解はどんな事でも何とかなります。一人で全部を無理にやる気はないんですけど、基本的には一度は自分でやってみると外注した際にもコントロールできる範囲がわかる為、うまくいく」と説明する。
武林CEOは3期目の目標に、マイクロ法人のまま粗利で1億円、その収益構造も自社サービス展開でストック60%、コンサルティング業で40%を掲げ、「目指すのではなくて、できるものだと思っています。とりあえずやってみるということを続けてきた結果、そうしたKPIを実現できるところまできた」と力を込める。さらに「フリーランスやマイクロ法人にも、同じように実践してみてほしい」といい、自らそのロールモデルを構築し、ジョブ型雇用の手本の一つやリスキリング、企業内起業や独立志望の手本になりたいと意気込み、新たなコンサルティング領域の開拓も見据えている。
合同会社StraidCEO
武林勝太郎
1985年生まれ。IT企業勤務を経て、2017年からフリーランスとして独立。その後2022年にマーケティングコンサルタント、ビジネスデベロップメント、自社サービス運用を軸に合同会社Straidを設立。
https://www.straid.co.jp/