情報格差を解消し
頼れる不動産のプロ
シェパード株式会社
不動産取引は業者と客の情報格差があり、疑心暗鬼も生まれやすいが、プロ野球選手から米国留学を経て不動産業界に飛び込んだ「シェパード」の犬塚康太朗代表は、不動産のプロとして信頼される存在になりたいと、マイホーム建築や土地活用を検討するオーナーにワンストップで業者を紹介するウェブサービス「建~てる」を開設した。大塚代表に思いを聞いた。犬塚代表に、事業への思いと今後の目標を聞いた。
「正直」が長期的な関係を築く
野球に打ち込み、立教大学からプロ野球独立リーグでプレーした犬塚代表。引退後は、広い世界を知り、新たなチャレンジをしたいという一心で、ニューヨークへ留学、その後IT企業で勤務した。
犬塚代表は、ニューヨークで知り合った不動産業の日本人の勧めで、帰国後は外資系不動産会社の日本支社に勤めることとなった。不動産業に携わり、「東京生まれ、東京育ちですが、外の世界を見た後に、新たな視点で東京を見つめ直し、改めて自分は東京が好きだと感じました」と振り返る。
東京への思いを再認識した犬塚代表は2016年、事業用不動産の売買仲介・買取・販売と管理を手掛ける「シェパード」を設立した。関連事業者の豊富なネットワークにより、土地活用の提案から、建築・設計・施工、管理・運営、リーシング、相続対策などにワンストップで対応する体制を整えた。
得意分野は、変形地の建物や権利関連が複雑な物件、いわゆる事故物件など“クセのある物件”だ。「これらの物件は、流通しにくく町の不動産屋ではさばききれないことが多いのですが、当社には、売却しにくい物件であっても適正価格での仲介に導く、多くのノウハウがあります」と自信を見せる。
モットーは「正直」。不動産取引は大きな買い物だが、不動産業者と一般人には情報格差があり、疑心暗鬼も生まれやすい。犬塚代表は「長期的な信頼を生むためには、丁寧で正直な仕事を積み重ねるしかない。米国では不動産業者の社会的地位が高く、弁護士、医師とともに三大資格といわれているのですが、日本ではまだまだ社会的地位が低いので、その状況を変えたいという気持ちもあります」と語る。
プロとして信頼される存在に
「家を建てるためハウスメーカーを選ぶ際、一般の人にはメーカーの違いは分かりづらい。有名な会社や積極的に営業をかけてくる会社が、最適な業者とは限りません。『とりあえず有名ハウスメーカーの展示場に行ったが、予算が合わないので他の会社にした』という声を聞くと、『もっと良いメーカーや設計士を紹介できたのに』と思うことも多い」と明かす。
プロとして信頼される存在になりたいという犬塚代表は2022年4月、マイホーム建築や土地活用を検討するオーナーがウェブを通して同社に相談し、予算や希望に沿って、豊富なネットワークの中からハウスメーカーや工務店、設計事務所などを紹介するサービス「建~てる」を始めた。相談や見積もりは全て無料で、注文住宅のほか、事業用アパート・マンション、賃貸併用住宅、駐車場、テナントビル、介護施設や倉庫など物流用地などにも対応しており、業者を紹介した後も、進捗をフォローし、施工後の運用サポートまでワンストップで提供する。
不動産の一括見積サイトはほかにもあるが、「建~てる」が他と一線を画すのが、業者の選択にプロの目が入ることだ。「土地活用のコンシェルジュ」として、顧客の希望や予算、家族構成、土地の面積、形状、立地などをヒアリングし、精査した上で、条件に沿った業者のみを紹介していく。秘密厳守も徹底しているので、業者から、しつこい営業がかけられる心配がない。「お客様の希望と、提案されるプランのギャップを埋め、お双方にメリットがあるような仕組みを作っていきたい」と意気込む。
新サービスをリリースした犬塚代表は、不動産業に限らず、あらゆる事業の形が大きく変わる兆しを感じているといい、激動の時代にどんな事業展開ができるか、常に考えている。プロ野球、米国留学から変わらないのはチャレンジ精神で、「多くの人に影響を与えるような事業を作りあげたい。日本発のビジネスで海外展開にも挑戦してみたいですね」と未来を見据える。
シェパード株式会社代表取締役
犬塚康太朗
1986年、東京都出身。立教大学卒業後、プロ野球独立リーグの群馬ダイヤモンドペガサスで内野手としてプレー。引退後は会社勤務の後、米ニューヨークに留学。帰国後は外資系不動産会社に勤務。2016年、シェパード株式会社を設立。
http://shep-herd.com/