省エネ改修工事で
業界ナンバーワンに

三和建装株式会社

マンションを中心に商業施設や学校などの大規模修繕工事を請け負う三和建装株式会社。建築費の高騰が続く中、補助金を活用した省エネ改修工事のニーズに気付き、社長直轄で省エネ推進課を発足。同分野での業界ナンバーワンを目指す。

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補助金活用のノウハウを強みに

1978年の設立以来、「住む人の暮らしを豊かにすること」をビジョンに掲げ、多くの改修工事を手がけてきた三和建装株式会社。約20年前からは断熱工事などの省エネ改修工事に力を入れている。中代表は「北海道のような寒い地域以外の方は『断熱材なんて必要ないのでは』と言われますが、断熱材は温度をキープできる魔法瓶のようなものですから、夏の猛暑でのエアコンの使用量を減らすことができる。そういったことを地道に伝えてきた結果が今、ようやく実を結びつつあると感じています」と語る。電気料金や資材の高騰が続く中、23年4月には社長直轄で省エネ推進課を新たに設置した。光熱費などを踏まえたトータルライフサイクルコストやCO2の削減につながる省エネ工事の必要性や社会的意義が、これまで以上に増しており、そのニーズに応えイニシャルコストではなくランニングコストを減らすためだという。

また、省エネ工事を導入するにあたっての資金面でのサポートにも注力する。「補助金の申請は、国土交通省や経産省、環境省などの省庁と、自治体によって違うので、知識と経験が必要になってきます。複数の補助金が併用できることを知っているかも大きな違いです」と話す。同社では、これまで総額15億6500万円の工事で、国や自治体の補助金・助成金を活用し、約11億2550万円まで削減した実績も持つ。中代表は「通常の大規模工事以外に外断熱やアルミサッシ、玄関扉、給排水更新、共用照明のLED化など複数の工事を同時に実施しました。少しずつ工事を進めることも多いのですが、逆に負担額が増えてしまうので、補助金を活用して、同時に工事を行った方がいい」と説明する。また、「支払いも補助金が出た後でいいので、資金繰りもスムーズになる。補助金のノウハウと合わせて、そういったところでも選ばれる会社になれば」と語る。

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10年後を見据えた社員教育に注力

省エネ推進課では、補助金を得られる工事を提案するほか、その仕組みにのっとったスケジュール管理を行うなど、通常複数の業者に依頼する作業もすべて一気通貫型で完結できるので、スピード感のある対応が可能だ。中代表は「補助金活用に対する知識の有無が今後は鍵になってくる。資材の高騰で、建築費を抑えるために必要な工事を削るということも少なくありません。そうしないために、補助金を活用して対応することに一番注力している」と強調する。また、今後は電気自動車の充電設備のないマンションには資産価値がつかないという考えから、補助金を活用した設置普及も精力的に行っている。

中代表は「修繕積立費や予算内で改修工事を賄うことが難しくなっている。生き残りのためにアイデア力や提案力が求められるので、社員の育成にも力を入れたい」といい、5年後を見据えた教育プログラムとしてマイスター制度を採用している。「建設業界は労務単価が30年間横ばいでした。それが急激に上がるのか、10年後は正直予測ができない。だからこそ、社員の育成など今できることをしっかりとやっていかないと勝ち残れない」と意気込む。「『省エネ工事なら三和建装』だと言われる10年後にするため、堅実に歩みを進めていきたい」と将来を見据える。

三和建装株式会社代表取締役社長

中 衆司

マンションを中心に商業施設や学校などの大規模修繕工事を請け負う三和建装株式会社。建築費の高騰が続く中、補助金を活用した省エネ改修工事のニーズに気付き、社長直轄で省エネ推進課を発足。同分野での業界ナンバーワンを目指す。

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