【大学特集】
教職員と学生の距離が非常に近い大学

佐賀大学

有田焼で知られる佐賀県ならではの焼き物研究拠点でもある佐賀大学。兒玉 浩明学長は「教職員と学生の距離が非常に近い大学」と自負する。

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九州有数の就職率

佐賀大学は、佐賀県ならではの特色を持った総合大学です。本学の特徴的な学部として、芸術地域デザイン学部があります。この学部は元々美術教員を輩出するために、九州では本学のみに設置された学部です。現在は「芸術表現コース」「地域デザインコース」の二つのコースがあり、芸術を通して地域創生に貢献する人材を育成しています。芸術表現コースでは、佐賀県ならではの有田焼を中心に焼き物の専門知識や技術を学ぶことができ、焼き物の教育研究の国際拠点を目指しています。

また、佐賀らしい部活として、熱気球部があります。佐賀県は熱気球の国際大会が行われるなど熱気球が盛んで、本学の熱気球部も毎年世界大会に出場するほど、力を入れて活動しています。

本学は、教職員と学生の距離が非常に近く、昔から「学生中心の大学」を標榜しており、学生が成長していく過程を支援していく仕組みが整っています。例えば、今はどこの大学でも取り入れていますが、ポートフォリオという学生の情報をしっかり記録するための制度を早くから導入しております。教員全員が学生をしっかりサポートしていこうと考え、毎学期全学生との面談をどの学部でもしています。そのため就職率は九州の大学でも有数で、受験の志願者数も九州の大学で3本の指に入るなど、しっかり結果が現れています。

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挑戦するための環境を整備

入試を担当するアドミッションセンターでセンター長を務めていた時、文部科学省の高大接続改革が国を挙げて推進されていましたので、さまざまな施策を学内で講じていました。その成果で理事、学長に選ばれたのだと思います。

学長に就任してから、「佐賀大学のこれからービジョン2030ー」を策定しました。具体的には、2030年の佐賀大学のあるべき姿を「佐賀大学に関わる人々が誇れる大学」「佐賀大学で学びたいと選ばれる大学」「地域社会から期待、信頼される大学」と定めています。中身はオーソドックスなものですが、この方向性をしっかりと示すことに意味がありました。学長に就任する時、教職員全員がバラバラの考えを持っていることに気付き、方向性を示すことが私の最初の仕事だと考え、ビジョンを作ったのです。

 このビジョンを基に「強い佐賀大学」を確立することが私の役目です。この先、予測困難なことがあっても、それを乗り越えていけるように、安定した教育・経営の基盤を作らなければいけません。あと2年の任期中に全員がこれを目指すよう浸透させたいと考えています。

学生の頃、部活にも入っていませんでした。また、当時は現在のように学生が社会活動に参加するのは一般的ではなかったのですが、海外に留学した時、今まで周りにいた人とは違った人たちに会い、その考え方に触れ、新たな経験をすることができました。こうした経験があったこともあり、学生たちには学生時代にしかできないことに挑戦してほしいと思います。留学や部活、ボランティアなどの社会活動、アルバイトなどの社会勉強、何でもいいので、新たな経験や挑戦をしてほしい。さまざまな経験をすると、自分の立ち位置を知ることができ、さらに成長できると思います。

本学では留学制度、資格の取得を含めて挑戦するための環境が整っています。自分が何を志せばいいのか分からない学生は、本学の強みである距離感の近い教職員たちにたくさん相談して、大学生という貴重な時間を有意義に使ってほしいですね。

佐賀大学学長

兒玉 浩明

1960年生まれ。理学博士。83年佐賀大学理工学部卒業。85年同大学大学院理工学研究科修士課程修了。88年九州大学大学院理学研究科博士課程修了。佐賀大学助手、助教授、准教授、教授、理事・副学長などを経て、2019年から現職。

https://www.saga-u.ac.jp/