木造建築でSDGs
積極的な海外展開も

富士リアルティ株式会社

不動産仲介がメインの富士リアルティ株式会社は、藤沢・湘南エリアで信頼と実績を誇る。カンボジアとタイにも進出し、環境に優しい“木造建築”でも話題になっている。若い頃は営業マンとして活躍した永松秀行代表取締役社長に話を聞いた。

01

外国人を積極的に採用する

富士リアルティは、センチュリー21のフランチャイズとして湘南エリアに7店舗を展開、FJグループとして、不動産の売買・仲介から建築・設計、訪問看護・介護支援を手がける。

さらに、カンボジアとタイにも海外事業部を展開。「外国人を積極的に採用しているのが特色で、カンボジアから2人を採用して、インドから2人入社予定です。カンボジアの支店は単体でしっかり売り上げを出しています。小さい会社で比較的風通しが良いから、外国人もほかの社員たちと話しやすい。みんな長く勤めてくれているし、カンボジアの物件を日本人に買ってもらっているので、貴重な戦力です。カンボジアに関しては人を増やして、もっと大きくしようと思っています」と明かす。

海外展開について永松社長は「私がいなくても問題なくできるような体制を整えています。カンボジアで“一強”になれるよう頑張りたい」と意気込む。

02

地産地消の木造建築

海外事業と同じように力を入れているのが「木造建築」で、地域の環境やまちづくりのために地域産木材を使用した木造中高層ビルを建設した。「神奈川県には相模川という大きな川があり、下草がないから大雨が降った時に水を吸い込まず、すぐに増水して氾濫するし、がけ崩れが発生することもあります。せっかくビーチクリーンをしても、川が汚いからゴミなどが全部海に流れてしまう。不名誉なことですが、湘南の海にはワーストビーチ3に入るところもあり、元から絶たないと駄目だと思いました。うちの会社には私も含めサーファーが多いので、SDGsの取り組みとして、企業として何かできるんじゃないかと思った」と経緯を語る。

木造ビルの建設で県産材は10%ほどしか使用しないが、それでもかなりの量を使うことになり、伐採した木材を使うと、二酸化炭素(CO2)を閉じ込める上、伐採した分を新たに植林すると、成木の約3倍のCO2を吸収するため、カーボンニュートラルに大きく貢献するという。

三菱地所木材センターのサポートを受け、「普段うちで一戸建てを建てている地元の業者で全部できるので、まさに地産地消です。神奈川県の『かながわSDGsパートナー』を取って、自分のところで土地を買い、1棟目を自社で建てることができました」と胸を張る。「湘南乃工務店」の商標でブランディングしており、多くの新聞や雑誌にも取り上げられ、注目を集めている。

来年還暦を迎える永松社長は、若い頃に大病をした経験からストレスをためることが一番よくないと考え、お酒を飲んで矢沢永吉の歌を歌ってストレスを解消。さらに柔術やサーフィンで体を動かし、精力的に仕事をこなしている。「もう陣頭指揮を執る必要がないから、後は信頼できる仲間に任せて、自分がやりたいことに力を入れたい。昔やっていた営業の血が騒ぐので、カンボジアやタイ、フィリピンに乗り込んで日本流の不動産仲介を広めたい。体力がどこまで持つかどうか分からないけど、精いっぱい頑張りたい」と永松社長のチャレンジは続く。

富士リアルティ株式会社代表取締役社長

永松秀行

1964年、神奈川県出身。神奈川工科大学卒業。営業として不動産仲介に携わり、勤めていた会社の倒産を機に自らそのグループ会社を買い取り「富士リアルティ」を設立。カンボジアとタイにも店舗を展開し、訪問看護や介護事業にも取り組んでいる。

http://fuji-realty.com/