【大学特集】
中部から世界へ
創造型実学の大学に

名城大学

中部圏最大の文理融合型の総合大学である名城大学。創立100周年を迎える2026年からのビジョンとして、小原 章裕学長は「中部から世界へ 創造型実学の大学」を掲げる。

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ものづくりの中心地で実学教育を堅持

名城大学は、2026年に100周年を迎える伝統ある大学です。2026年以降のビジョンとして、「中部から世界へ  創造型実学の名城大学」を掲げ、その進化と発展を期しています。1926年に田中壽一先生が名古屋高等理工科講習所を開設して以来、ものづくりの中心地である中部圏で、実学教育を堅持し続けています。

現在、文理融合型の総合大学として、10学部と9大学院研究科を有し、四つのキャンパスで1万5千人以上の学生が学んでいます。これまで巣立った卒業生は21万人を超え、多様な分野で活躍しています。学部や年齢に関わらず、同窓生同士の結びつきは、卒業後もさまざまな場面で大きな力となっています。

また、先端的な教育・研究活動を追求し、地域社会においても重要な役割を果たしています。特に、産業界を中心に課題解決能力を有する人材を輩出し続け、就職においても高い就職率と満足度を誇っています。名城大学は、地域社会との連携を深め、世界に通用する人材を育て上げる先駆的な存在であり続けるよう、活動を継続します。

昨年度、学校教育法に基づく第3期の大学認証評価で極めて高い評価を受けました。2015年から開学100周年の2026年を目標年とする戦略プラン「Meijo Strategy-2026(MS-26)」を推進しており、学生が多様な経験を通して成長する「学びのコミュニティ」を創り広げる活動が、この評価につながったと思います。具体的な活動としては、教員主導の「学びのコミュニティ創出支援事業」、学生グループによる「Enjoy Learningプロジェクト」、リーダーの素養を習得する選抜型の「名城大学チャレンジ支援プログラム」の3つの特別なプログラムを展開しており、これらのプログラムが教育環境に革新をもたらしています。

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変革をけん牽引する学生を

私の信条は、「千虚不如一實(千の虚[うつ]ろは一実にしかず=千のうそも一つの真実には及ばない)」です。この言葉は、約35年前に、とある新聞記事に掲載されたもので、私にとっては研究の神髄を表している言葉だと思っています。

専門の食品の効用に関する研究では、微生物や細胞からスタートし、次第に動物実験に進み、体内での効果を確認します。試験管レベルで得られたデータが有望であっても、動物実験で逆の結果が出ることもあり、最終的なデータがすべてを決定すると考えています。真実を追求するのだという信念の基、研究に取り組んできました。

学生時代は、社会全体が右肩上がりの成長期で、努力次第で報われるというアクティブな時代でした。そのため、学部・大学院時代の勉学や研究、大学の教員になってからも全ての面で挑戦的にまい進してきたと自負しています。しかし、最近の若い世代を見ていると、恵まれた環境の中で、自分で限界を設定してしまっているように感じます。本学終身教授で2019年にノーベル化学賞を受賞した吉野彰先生の「若い時期はどんな分野でも自分がこれだと感じるものに積極的に挑戦してほしい」という言葉に非常に共感しています。

今や第4次産業革命によるSociety5.0の実現が視野に入りつつあります。コロナ禍により加速度的に進展したデジタル化は、生産性向上に留まらず、新たなビジネスモデルを創出しています。これに加えてグローバル化や進化する科学技術により、社会のシステムや文化、価値観までが劇的に変容しつつあります。だからこそ、自分を磨き、さまざまな課題を解決できる能力を身に付けることが重要です。これからの社会で活躍し、変革をけん引する、柔軟性と向上心を持ち続けられる学生を育てていきたいと思います。

名城大学学長

小原 章裕

1958年兵庫県生まれ。名城大学農学部卒業後、神戸大学で修士と博士号を取得。87年大阪青山短期大学専任講師、兵庫女子短期大学助教授を経て、98年名城大学助教授。名城大学農学部協議員、農学部長、農学研究科長などを経て、2019年4月より現職。

https://www.meijo-u.ac.jp/