美しく健康な生活を
医学の力でサポート

徳永院長は2010年、歯科医師の夫・徳永淳二さんととも逗子メディスタイルクリニックを設立。淳二さんが歯科、矯正歯科、インプラント専門外来を、徳永院長が美容皮膚科と形成外科、皮膚科を担当した。徳永院長の産休・育休が終わり、淳二さんがスウェーデンの留学から帰国するタイミングと重なったという。「当時の目標は“レクサス”でした。トヨタが持つ最高の技術を結集させたものがレクサスであるなら、同じように自費や保険に関係なく、できる範囲で一番の医療を提供しようと考えました」と振り返る。

法人名にもなった「メディスタイル」には、“メディカル”の視点から“ライフスタイル”を改善していく、という思いを込めた。「大小問わず、体のトラブルはたくさんありますが、例えば巻き爪などは医学的な目線でケアすれば割と簡単に解決できる。大きな病院にかかる以前のところで、開業医として役に立てることがもっとあるのではないかと思い、スタートしました」と語る。

開業から3年後、徳永院長は乳がんと甲状腺がんが見つかった。「結構しっかりと闘病したので、いつ死んでも悔いのない生き方をしたいなと思うようになった。そこで、今まで構想を持っていた小児歯科の専門クリニックや保険診療をメインにした皮膚科や歯科のクリニックを立ち上げようと思いきりました」と、複数のクリニックを展開していった。

その後、しっかりと食事をとり、飲み下しのリハビリテーションを行う訪問診療や、終末期患者向けの診療を始めた徳永院長は「自分たちの仕事は、子供のころに食べる機能を育てることから始まり、最後までその機能を失わせないようにするためのもので、“食べるを支える”ことの大事さにも気付いた」といい、バランスのいい食事をサポートする飲食店「逗子キッチン」をオープンした。

また、巻き爪や魚の目などのちょっとしたトラブルが、スムーズな歩行を妨げることから、フットケアにも注力し、歩き方や靴のアドバイスをするサロンのほか、ネイルやまつ毛エクステなどのビューティーサロン、企業内保育園まで幅広く展開している。徳永院長は「メディカルな視点からのライフスタイル改善がコンセプトなので、できることがたくさんある」と事業拡大を続けている。

医療と健康を軸にさまざまな事業を地域密着型で展開している。医師や看護師など地元出身のスタッフ者が多く、地域に根差した診療をしたいからと志望する人も増えているという。採用時の面接や人事評価も自ら行っている徳永院長は「スタッフは家族だと思い、メディスタイルが大事にしていることをしっかりと理解して共有するようにしています。また、適性を引き出せる場所で活躍して輝いてほしいので、適材適所も意識しています」と説明する。

近年ではオンライン診療を実施するクリニックも増えているが、徳永院長は「実際に血の通っている肌を肉眼で見ないと分からないこともある」とデジタルでは完結できないと言い切る。「生身の人間を相手にしているので、自分の目の前にいる人を大事にしないことには何も始まらない」というが、業務の効率化では患者を取りこぼすことのないようにしながら積極的にDX化を取り入れようとしている。

「全ていいとこどり」という徳永院長は、現代医学をベースに東洋医学・アロマテラピー・サプリメントなどの相補・代替医療を取り入れている。「新しいものやグローバルな目線を取り入れたい、という思いもありますが、基本的には『とにかくよくなればいいじゃない』という考えです。自分が病気を経験した時、データがどうであれ、良くなることが一番だと思いました。いろいろな情報が入ってくる中で、良いものだと思えるものは今後もどんどん取り入れていきたい」と語る。

徳永院長は、「全ての人が幸せに生きられる世界」を目指し、困っている人に手を差し伸べ、医療分野から健康をサポートしている。さらに女性の開業医へのアドバイスなど、夢は広がっていく。