【大学特集】
将来を担う
人材の育成

京都産業大学

日本最大規模の一拠点総合大学である京都産業大学は、幅広い学問領域を学べるのが特徴だ。黒坂光学長は「未来に向けた行動意識が必要だ」と語る。

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未来を育むキャンパス

京都産業大学は、10の学部と10の研究科を含むすべての施設を一つのキャンパスに集約する総合大学です。大学は学生が自然に交流し合い、異なる学部や分野、さらには学年を超えて交わる場となっています。キャンパスでは、学びの中でさまざまな考えや異なる価値観に触れることができる環境が育まれています。

本学は未来を見据えて、データサイエンスの教育や日本の産業活性化を促進するためのアントレプレナー育成プログラムなどに力を注いでいます。これらのプログラムでは、異なる学部の教員が協力して授業を担当し、新たな知識やスキルを提供しています。このような学部間の連携に基づくこの取り組みは、多様な知識や技術をむすんで新たな価値をうみだす、京都産業大学の強みの一つです。

本学は、「将来の社会を担う人材の育成」を建学の精神として掲げています。1965年の開学当時、日本国内は日米安全保障条約などの諸問題に直面し、未来に向けた展望が不透明な時代でした。現代社会もまた、さまざまな課題を抱え、先行きの見通しが困難であり、本学の建学の精神は、ますます重要性を増しています。私たちは、次代のリーダー育成に全力を傾け、改革に積極的に取り組んでいます。

京都産業大学の卒業生が4年間の学びを経て、成長を実感し、満足して卒業することが願いです。そのためには、キャンパス環境の整備が不可欠だと考えます。私たちは豊かな自然に囲まれた美しいキャンパスを提供してきましたが、さらなる進化を目指しています。その一環として、ソフトバンク株式会社やLINEヤフー株式会社との協定を締結しました。

これにより高速の5G通信環境がキャンパス内に導入され、顔認証システムの実装など、最先端の技術を活用したさまざまな新しい取り組みが可能になります。このようにスマートキャンパス化を進め、未来志向のキャンパスを構築し、将来の地域社会の発展に貢献する人材を育成していきます。

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学生が育む未来への展望

 私は薬学部に進学し、卒業後は大学院に進みました。学部2年〜3年次の平日の午後はすべて実験科目が入っており、実験が終わるとレポート作成に追われ休む暇もないほど忙しい日々を送りました。研究室に配属された4年次と、その後の大学院では研究を中心とした非常に厳しい学生生活を過ごしました。月曜日から土曜日まで毎日、朝から晩まで実験を行い、しばしば休日を返上して日曜日にも研究を行いました。

研究は魅力的でやりがいのある仕事ですが、その一方、なかなか成果が出ず苦しい思いをすることもあります。そのような困難な状況にあっても、日々の課題に向き合い、決して逃げずに前向きに取り組んできました。これまでの道のりは長く厳しいものでしたが、真摯に学び、努力してきたことが自信につながっています。

 

私は日本の高度経済成長期に学生時代を過ごしました。当時の日本は、未来は確実により良くなるという期待感に満ちており、日本の経済も着実に成長していました。その安定感の中で、私たちは一生懸命に勉強をしました。しかし、今日の学生が生きていく時代の背景は大きく異なります。日本の経済の見通しは不透明であり、多くの社会問題を抱えています。明るい未来を切り開いていくには、これらの課題を解決しなければなりません。京都産業大学は、建学の精神に立ち返り「将来の社会を担って立つ人材の育成」を実現することが使命だと考えます。学生には社会の課題を自ら見出して解決するという気概を持ち、希望に満ちた豊かな未来を開拓してほしいと思います。

京都産業大学学長

黒坂光

1957年大阪市生まれ。86年京都大学大学院 薬学研究科 製薬化学専攻 博士課程 修了。その後、86年京都産業大学 国土利用開発研究所 講師、総合生命科学部長、工学部長、副学長を経て、2020年から現職。

https://www.kyoto-su.ac.jp/