世の中に貢献する
100年企業を目指す

株式会社九内

山口県を本拠に、道路の関連工事や橋梁の塗装などの公共事業から、住宅や店舗のリフォーム工事、児童の発達支援施設やコンビニエンスストアの運営まで幅広く事業を展開している株式会社クナイホールディングス。2032年に創業100周年を迎える九内庸志代表は「『世の中に貢献する』『安心、安全、快適、未来』というキーワードで、社会から必要とされる会社であり続けたい」と意気込む。

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地元・山口への貢献を軸に事業を拡大

インフラ施工を軸にする九内の歴史について、九内代表は「祖父が燃料油の製造で創業し、塗料の卸売を経て、塗装工事を扱う会社に変わっていきました。現在の中心事業は、道路標識の設置や白線などのライン引きといった道路の安全施設工事をはじめとする公共工事ですが、祖父が道路に白線を引くために必要な機械と車を導入したことが、今の基盤になっています」と説明する。

 交通安全施設工事のほか、公共工事では大規模な橋梁の塗装も得意分野だ。がけ崩れなどの災害復興の工事も手がけるが、グループ会社では、一般住宅のリフォームやエクステリア工事、企業・店舗の塗装工事、児童の発達支援施設の運営など多岐にわたる事業を手がけている。九内代表は「少子高齢化が進む中、同じことばかりやっていても、事業の規模が縮小したり、売り上げが減ったり伸び悩んでいくでしょう。地域の方にさまざまな角度で喜んでいただけるようなものはないか、と視点を変えることで、少しずつ業務の幅が広がっていきました」といい、「地元に貢献する」という思いが原点になっている。

 本社の建て替えに伴い、ビル内のコンビニエンスストアとコワーキングスペースの運営も新たに手がける予定だ。九内代表は「新幹線の停車駅に近く、山口県の中でも有数の商業地域ですので、事務所を作るだけだともったいない。これも地域の方が必要とするものを、と考えた結果です」と強調する。

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社会に必要とされる100年企業を目指して

九内代表は大学卒業後、東京で一度就職したが、呼び戻される形で同社に入り、1993年に祖父、父に続く3代目として代表に就任した。1932(昭和7)年創業の同社では、2032年に創業100周年を迎える。「自分が社長を任されたのは約30年前。当時はまだ100年企業にピンときていない部分がありました。ですが、70年、80年と進んでくると、『もしかしたら100年続けていけるのかもしれない』と思った。100年企業になるために一番重要なのは、やはり社会から必要とされることで、業務の幅が広くなっても、それぞれの分野で『九内という会社が必要』だと思われるようにならないといけない。業績がいいときにも傲らず、地道にコツコツ続けていたからこそ、苦しいときにも手を差し伸べてくれる人がいました。だからこそ、ここまで長く会社を続けてこられた」と力を込める。

また、九内代表は「10年後には、今やっていることが時代に合わず、それを辞める必要も出てくるでしょう。そういった状況を踏まえ、『世の中に貢献する』『安心、安全、快適、未来』というキーワードをしっかりと持ち、社会から必要とされる会社であり続けたい。同時に、これまで培った技術やノウハウ、文化や伝統もつないでいきたい」と100年企業に意欲を燃やしている。

また、九内代表は100年企業になるまでは代表として社を見守りたいという。「101年目に倒産するのでは意味がない。その後もどう続けていくのか。組織や業務態勢を組み立てていくことが今の自分の役割だと考えています。3代目から4代目へと、自分の思いをいかに受け継いでもらうかもテーマです」と語る。

どんなときも「自分で納得できるか。あるいは、自分を許せるか」を大事に事業を進めてきたという九内代表は「事業に、後ろめたいことがあると、心に引っかかりが出てくる。商売だから、利益があるからといった目線ではやりたくない」と言いきる。地元山口県で地域に貢献しながら、100年企業を目指し、東京に拠点を持ち上場するというビジョンもあるという。九内代表の挑戦は続く。

株式会社九内代表取締役

九内 庸志

1962年、山口県周南市出身。東京の大学を卒業後、東京で就職。20代で地元に帰り家業に入る。31歳のときに代表職に就任。主要事業の株式会社九内は2023年に創業91年を迎える。現在、グループ5社の代表を務めるほか、下松商工会議所副会頭、(一社)全国道路標識・標示業協会本部理事、山口県倫理法人会後継者倫理塾塾長などを兼務。

http://www.kunai.jp/