限界を限界とせず
人の役に立つ仕事を

株式会社アシスト関東

税務会計だけでなく経営のバックオフィス構築や未来会計の推進、法人や個人の資産を守っていくためのサービスを幅広く提供する株式会社アシスト関東。「自分たちの限界を限界とせず、ネットワークを生かして人の役に立つ仕事をすること」を理念に掲げる林弘子代表に話を聞いた。

01

税務関連を軸に幅広くサポート

国税局に勤務していた林代表の父が独立、開業した税務会計事務所が前身の同社は長年、法人の税務関連サポートを軸に事業を展開していたが、借金苦で取引先企業の社長が自殺するという不幸な事故を機に「中小企業の有益な手伝いがしたい」と法人化、97年にアシスト関東を立ち上げた。林代表は「会社の会計がいつでも自社で確認できるように、という指導から始まり、将来の夢に向けた経営計画のシミュレーションや、バックオフィスの効率化、M&Aの資料作成、生命保険の代理店も担っています。税務や会計を軸に、過去から現在、未来に向けたお手伝いをしています」と語る。

 一番の強みは税理士や社労士、司法書士、弁護士、行政書士ら頼れるプロフェッショナルとのネットワークだ。林代表は「代替わりに不安を抱えている人も多く、自分たちの限界を限界とせず、人の役に立ちたい、という思いでM&Aのサポートを始めたので、自分ができないことはそのネットワークを使って最適な人を紹介できます」と胸を張る。

最近も、医療法人の代替わり変更の依頼に、福岡の司法書士をアテンドした。「いつもお願いしている司法書士に、時間がなく難しいと言われてしまった、というので、M&Aで付き合いのある組織に相談したら、福岡の司法書士が引き受けてくれた。銀行には『なぜ福岡の司法書士が?』とびっくりされました」と笑うが、コツコツと30年以上積み上げてきたネットワークは今や日本全国に広がっている。

02

若い世代の経営者のサポートを

林代表は、何においても「人の役に立つ仕事がしたい」という考えが原動力になっているという。「元々は、父の仕事を理解したかった。父は仕事人間で、国税局に勤めていたときも帰りが遅く、それが原因で母とよくケンカをしていました。それを見ていた私は、父がどうして遅くなるのか。それを理解したうえで両親の言い分を聞いてみたいと思った。今も人が争うのは好きじゃないし、その背景をちゃんと理解できる関係性が作りたいと思っています」と振り返る。

現在は顧客の大半が中小企業だが、子会社があるような大手から個人まで、客層は幅広い。そのため、ほぼすべてが個別対応といったところも特徴だという。「一つ一つが全く異なる対応が必要な案件ばかり。だからこそ、その背景をちゃんと知ってよりよいものでサポートしたい。昔は会社の合併や分割も双方の話をよく聞く必要があって、今より手間がかかった。でも、父はそれを苦にせず対応していたので、自分もそれが普通だと思う。今の自分の仕事スタイルは父の影響も大きいように思います」と語る。

今の時代を「ゲーム的にいったら、乱世の終わりに近づいてきているところ」だと例える林代表。「既に価値観がかなり崩壊してきていますが、さらにこの10年で急速に変わっていくことでしょう。常識を常識としてとらえないやり方を受け入れる必要もありますし、過去に目を向けるのではなく未来をどうしたらいいのか。未来志向で考える時代になっていくのではないでしょうか。私たちもお客さまがどの方向に向かっていきたいのか。それを一緒に考えていける柔軟さを持っていきたい」という。

10年後は、もうけることよりも未来に目を向けられる若い会社と関わっていきたいともいい、「自分のやり方を押し付けすぎてしまって失敗したこともあったので、相手の立場に立って話をよく聞くことに加えて、過去のやり方に固執している方が相手の場合は少し待つことも必要なのかなと思うようになりました。また、この夏に長年一緒に頑張ってくれた社員が退職することになり、新たに30代の若手が入社することにもなり、変わらなきゃいけない時期に来ているのかなという思いもあります。デジタル化に合わせたサポートはもちろん、若い世代の経営者に向けて、自社の経営の数字を把握できるような自計化を指導し、そのうえで未来会計や経営計画の構築、個人のライフプラン構築のセミナー開催なども実施し、法人、個人問わず本当に役に立つ情報を発信していきたい」と力を込める。

株式会社アシスト関東代表取締役

林 弘子

1955年、東京都出身。駒澤大学経済学部商学課を卒業後、会計事務所に勤務。その後、父が開業した林税務会計事務所に入社。事務所の立ち上げから総務経理雑務を担う。97年に株式会社アシスト関東として法人化。2011年に同社の代表取締役に就任。

http://www.kkassist.com/