建設業界の明るい
未来へチャレンジ

株式会社群馬建水

防水工事全般を事業の軸に、群馬から埼玉、神奈川、東京へと拠点を広げ成長を遂げている株式会社群馬建水。祖父の代から続く家業を継ぎ、3代目として事業の幅を広げてきた宮沢勝富士代表は「まずは自社をアップデートし続けることで結果的に建設業界の明るい未来への貢献になると信じています」と意気込む。

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多能工職人が人手不足解消に

代表に就任以降、さまざまな改革で事業を拡大してきた宮沢代表は、同社の強みの一つとして「外注への依存度の低さ」を挙げる。建設会社の多くは一親方と言われる職人たちを束ねている。その親方たちの賃金は雨が降ったら現場が休み、といったようにどうしても天候に左右されてしまう。

宮沢代表は「そういった業界の現状や職人のためにも改善したいという思いから、職人を社員として雇うことに決めました」と振り返る。職人たちは安定した給与を得ることができ、会社としては受注から引き渡しまでをワンストップでできる。それは、工事が集中する時期をずらした受注も可能にするので、発注側としては発注金額が抑えられるメリットもあるという。

宮沢代表は、同社の取り組みを建設業界の人材不足解消につなげようと、さまざまな試みをしているが、その一つが多能工の職人と職種を増やすことだ。「建設業界には、専門職がおよそ30種類程度ありますが、いろいろな仕事ができるようになれば分散して受注できる。例えば、1年で建てる建物だと、初期、中間期、後期では別の業種の対応が必要となりますが、1人の職人が長く携わる事ができます。さらに、天候に左右されない業種もできるようになれば、職人の給与も安定して上がる。多種多様な職人を社員として抱えているので、彼ら同士が教え合ったり、業務提携したりすれば、人手不足を解消できる。発注側も職人も、みんながwin-winになると思っています」と語る。

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自社の働き方改革が業界への貢献になると信じて

外国人の雇用を積極的に行っているのも、同社の特徴だ。宮沢代表は「専門技術を持つ職人を社員に持っているからこそ、しっかりとした研修体制を整えられる」と言い、新卒や未経験の社員を受け入れる間口の広さにもつながっているという。宮沢代表は「最近では大手ゼネコンからの発注も増えたため、通常の会社員のように土日祝日が休みになる現場も多くなってきましたが、そんな実情を知らない人が多いので、建設業界は人気がなく、人手不足が嘆かれている。建築業界も働き方改革が進んでいることを広めていきたい」と力を込める。

自社のさらなる事業拡大が業界改革の一歩だという宮沢代表だが、建築業界全体としては人口減少に伴い新築ニーズが減少しており、現状のままの建築会社は後継者不足などによるM&Aや廃業などで統廃合が進むと予測する。「生き残っていくためにも、自社の改革を進めると同時に、大手ゼネコンとの取引先数を増やすなど、対応を進めたい。5年後、10年後には多能工職人をさらに増やし、若い人の就職先の選択肢になる企業になっていたい」と語る。

宮沢代表には、共感し合える同業他社と手をとり合い、相乗効果を生むことで結果的に業界全体の貢献に繋がってほしいという。「この業界に入ってから30年近く、失敗もありましたし、多くの経験を積み重ねてきました。その経験から自社で改革を行い、変わってきたという自負もありますので、同志と手を組んで若者がチャレンジしてくれるような業種にしていきたい。あらゆる手段できついきたない危険3Kのイメージを払拭したい」と語る。

3代目として就任以降、障壁をモチベーションに、跡継ぎというよりは創業者といった感覚で改革を進めてきたという。「ようやく最近、社長はこういうことをやりたかったんだと理解してくれる人が多くなりました。そういった僕のファンが増えていくのはありがたいですが、そろそろ事業継承も考えるタイミングなので、私ではなくても仕事が取れるような仕組みも作っていきたい。社員の潜在能力を引き出し、それを組織力につなげていけるような新しい仕組みづくりが今の課題です」と次なる改革に向けて前を向く。

株式会社群馬建水代表取締役

宮沢 勝富士

1976年、群馬県出身。高校卒業後、祖父が創業した宮沢コーキング工業株式会社に入社。2005年に代表取締役に就任し、株式会社群馬建水へ社名を変更。事業内容を防水工事全般へ拡大し、2013年に埼玉支社を、2018年に神奈川営業所、2023年に東京オフィスを開設する。

http://www.ken-sui.jp/