学習法と読書法を
学びのエンジンに
株式会社J-エデュケーション
読書法を用いる独自の学習法メソッドを活用し、小中学生対象の「読解力+学習法」に特化した教室と、社会人向けの「速読・読書を活用した学習ストラテジー」を指導するセミナーの2本柱で教育事業を展開するJ-エデュケーション。教師時代から速読と高速学習の研究を続けてきた寺田昌嗣代表は「自分の成長につながる学びのエンジンにしてほしい」と学習法と読書法の普及に力を入れる。
教職時代の経験が生み出した独自メソッド
寺田代表が、指導の土台としているのは、速読をベースにした読書法と効果的な学習法を組み合わせた独自メソッドだ。寺田代表が読書に着目したきっかけは、高校教諭時代の小論文指導だった。「本の読み方をベースに持っていないと、小論文も材料がそろわず書き始められないので、先に読書指導が必要だったというのが一番大きかった」と振り返る。
情報詰め込み型の学校教育法に疑問を持っていた寺田代表は、3学期を丸ごとディベート大会にするなどユニークな授業を行いながら、入試対策として学習法も研究していた。「3学期にディベート大会をやるためには、それまでに教科書の内容をすべて終わらせる必要があった。速読を含めた読書法であれば、効果的に受験に必要な内容を覚えられるのではないかと考えて、始めたことが今のベースになっています」と語る。
寺田代表は独自のメソッドについて、「心理学や認知科学、脳科学の最先端の研究論文をひもときながら、実践しやすいようアレンジした科学的に効果が期待できる『エビデンスに基づく正しい学習方法』」と解説する。現在、九州大学大学院の博士課程で、読書教育を研究しており、「1回読んだだけでは身にならない。どういった復習が必要なのか。科学的に効果的な手順や読み重ね方を研究し、新しいことを学ぶためにはこういったステップが必要だということを指導します。子供には本を読む力をつけることを中心に、大人には速読よりも効果的な学習のための読書法に寄った指導をします」という。
情報化社会で高まる読書法の必要性
実際に教室で子どもたちに教えるのは、教科書の内容ではなく、この手順で学んでいく、という勉強の仕方だ。寺田代表は「このやり方なら、無理なく理解し記憶に残せて、頑張った分効果が出る学習法なので、子供たちが勉強の楽しさに気付くようになり、勝手に勉強し始める。それが基本です」という。社会人向けのセミナーは、読書の必要性を感じながら読むのに苦労しているビジネスマンが中心で、寺田代表は「楽に読めるようになれば、吸収力が上がり、読書量も増える。読書法という学びのエンジンが手に入ることで、自分の成長スピードが変わることを実感して欲しい」と期待している。
情報化が進む社会で、寺田代表は読書の必要性が高まっていくという。「情報を自分なりに論理的に分析して結論を出す必要があり、語彙力や思考力を持っているか否かでできる仕事が変わっていくと思う。難しい言葉を難なく処理できる人と、誰かがかみ砕いて伝えたものの真偽の判断もできずに消費していく人に分かれる。どれだけクリエーティブな仕事ができるかは、勉強する力にかかってくるのではないか。学ぶことでサバイバルできる人だけが、自分が納得する仕事をしていける時代になっていくでしょう」と予測する。
寺田代表は「今の大学生の半分は読書しないで卒業するなんて言われているが、10年後にはノーベル賞を狙えるような研究もできなくなるのではないか。読書教育が大学教育で正規のものとして採用されるよう、賛同者を増やしていきたい。また、正しい学習法を小中高の教師に伝える活動もしていきたい」と訴える。
株式会社J-エデュケーション代表取締役
寺田 昌嗣
1970年、福岡県出身。1993年、名古屋大学を卒業後、高校教諭に。2001年に独立し、高速学習と速読のメソッドを完成させ、その指導に当たる。2009年、株式会社J-エデュケーションを設立。著書に「フォーカス・リーディング」「子どもの速読トレーニング」(いずれもPHP研究所)など。
https://www.focusreading.jp/