英語習得の鍵は
スペイン語にあり

一般社団法人ことばインターナショナル

英語をはじめとする外国語習得に苦手意識を持つ日本人は多いが、一般社団法人ことばインターナショナルの坪田充史代表は「スペイン語から始めれば、マルチリンガルへの扉が開く」と力を込める。「もっと多くの人に語学習得の喜びを知ってもらい、国際社会で活躍してほしい」と語る坪田代表に聞いた。

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日本語とスペイン語は同じ周波数帯

「日本人にとって、スペイン語がマルチリンガルへの鍵になる」。そう提唱する坪田代表は、その理由に“周波数”を挙げる。「日本人は語学というと英語から始めようとしますが、英語は周波数の観点からすると日本人の脳には向いてない。日本語と英語の周波数がかけ離れているため、言語として認識しづらい。これは仏の耳鼻科医アルフレッド・トマティス博士が発表した「言語はそれぞれの周波数帯で話されている」という論文に基づいています。日本語と同じ周波数帯のスペイン語は聞き取りやすく、母音が同じことから発音もしやすい。だからこそ語学習得の入り口に向いている」と説く。ラテン語から枝分かれしたスペイン語は、同じようにラテン語起源のフランス語やスペイン語にも応用しやすいという。

坪田代表は、日本人がスペイン語から始めると、広い周波数帯を言語として認識できるようになり、スペイン語以外の言語も習得が容易になるというマルチリンガルメソッドを提唱する。早い人だと始めて1、2カ月でスペイン語で日常会話ができるまでに上達するという。

坪田代表は自分が語学を教える立場になるとは考えてもいなかったと振り返る。元々首脳会議などで通訳を担っていた坪田代表は、子供が3歳の時、10万人に1人という難病になり、看病に付き添っていたため、通訳の仕事が激減した。医療費もかさみ、2000万円近い借金を背負い、「このままではいけない」と一念発起し、通訳以外の仕事として、オンラインスクールで40代以上の人を対象に語学を教えることにした。「いろいろと調べた結果、周波数帯の違いに気付き、スペイン語を入り口にすればいいとたどり着きました。英語に苦手意識を持つ生徒さんに周波数のお話をすると、皆さん『なるほど』と納得するので、そういった点でも語学習得のきっかけになっています」と語る。

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語学だけでなく、社会貢献できる国際人に

代表を務める一般社団法人ことばインターナショナルでは、マルチリンガルを目指す語学スクールの他、習得した語学を生かすためのビジネスノウハウの指南や人材派遣も行っている。最近はインバウンド需要に対する通訳ガイドも多いといい、「僕自身、通訳として各国の大使館や内閣官房とつながりがあったので、2020年東京オリンピックの時にはホストタウン事業をサポートしました。事前キャンプ地などで生徒が通訳として活躍していました」という。

そんな坪田代表がスペイン語を習得したのは、大学卒業後に友人に誘われたセミナーで、「21世紀は中南米の時代だ」と聞いたことから、スペイン語ならチャンスがあるかもしれないと思ったのがきっかけだった。その後、大統領の通訳を担当している人物と偶然知り合い、連れ立って出掛けたコロンビア大使館のパーティーで、「これからスペイン語をマスターして世界で活躍したい」と大使に伝えたことで、コロンビアに国費留学が決まった。以来コロンビアに20年以上住むことになる。坪田代表の座右の銘である「迷ったらイエスと言う」が心にあったと語る。

長年、語学に携わってきた坪田代表だが、語学習得において日本は遅れていると指摘する。「経済大国という印象もなくなってきた日本が、そこから抜け出すには、グローバルの社会で競争力をあげていくしかない。それには、やっぱり語学力が絶対に必要」と力を込める。

「『ことば』を通して、日本と世界の架け橋になること」をビジョンに掲げる坪田代表は、語学を習得した先に、生徒たちとともに年に2回の海外研修に出かけるほか、海外の小児がん施設を訪問し、外国語で日本文化を教える交流にも取り組んでいる。さらに南米アマゾンの森林保護活動として、植樹活動も始める予定だ。坪田代表は「単に語学ができるだけでなく、そこから一流の方々とお付き合いできて、社会貢献できる国際人を育成していきたい」と展望する。

一般社団法人ことばインターナショナル代表

坪田 充史

1976年、東京都出身。南米コロンビア在住。語学の専門家として、首相や皇室関係者のほか、国際的なスポーツ大会などでの通訳を担う。現在は、世界で活躍できる生き方を教える語学ビジネススクールを経営。著書に「総理大臣の通訳が教える! マルチリンガルになるための”英語”最速マスター術」(合同フォレスト)ほか。

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