【大学特集】
アジアと共に
挑戦し続ける大学

亜細亜大学

多くの学生を海外へ送り出してきた実績を持つ亜細亜大学。亜細亜大学永綱憲悟学長は、「多様な文化に触れ、新たな価値を見つけてほしい」と語る。

01

グローバル化時代の教育

亜細亜大学は、建学83年の歴史を誇ります。その歴史の始まりは、1941年に東アジア地域で活躍できる「有能ノ青年人材」を育成する目的で設立された興亜専門学校にさかのぼります。興亜専門学校は、戦後に日本経済短期大学に転換し、1955年に亜細亜大学として新たな一歩を踏み出しました。この際、初代学長である太田耕造によって掲げられた建学の精神は「自助協力」であり、その理念は現在まで受け継がれています。
 
また、学生同士の交流も盛んで、学生と教員の距離が近いため、アットホームな雰囲気が特徴です。キャンパスは武蔵野キャンパスとスポーツ施設が充実した日の出キャンパスがあり、全学部の学生が武蔵野キャンパスで集い交流することができます。大学名の通り、アジアとの交流を重視しています。現在、約300人の留学生が在籍し、全学生の約5%を占めています。留学生自身が主宰する日本語弁論大会や国際交流パーティーなどが開催され、地域の方々も交えて交流が深められています。

14の言語に及ぶ授業が提供され、アジア地域を中心に中東や欧米など世界各地の言語を学ぶことができます。全学部の1年生を対象とした必修科目「フレッシュマン・イングリッシュ」は、スピーキング力の向上を目指しており、ペアやグループでの活動を通じて、英語が苦手な学生も自然な会話に慣れ、英語力を向上させています。

また、ASEAN諸国からの留学を目指す外国人留学生を対象としたASEAN諸国留学生奨学金制度が、本学を一員とする東急グループをはじめ、複数の企業の支援を得て提供されています。この制度では、留学生別科1年と学部4年の計5年間の授業料を無料とし、最初の2年間は学生寮も無料提供しています。この取り組みは、ASEAN地域から優秀な学生を受け入れ、彼らが日本で活躍するグローバル人材として育成することを目指しています。

さらに、独自の海外ネットワークを活用し、世界20カ国・地域の39大学との多様な留学プログラムを提供しています。これまで主流だったアメリカプログラム(AUAP)に加えて、円安やアメリカの授業料の高騰などを考慮し、新たにマレーシアへの留学プログラムであるアジアンスタディーズプログラム(AUASP)を立ち上げました。20年以上の実績を持つ「アジア夢カレッジ」は、中国への5カ月間の留学とインターンシップを含む4年間のグローバルなキャリア開発プログラムです。このプログラムは文科省からの表彰を受け、高い評価を得ています。留学経験者の多くが、中国や東南アジアを中心としたグローバルなビジネスに関わって活躍しています。

02

留学から見える世界

私自身は、大学では法学部で法律を学び、弁護士を目指していました。法律相談のサークルにも所属していましたが、その中で真摯に働く弁護士たちの苦労を目の当たりにし、自身の選択を再考しました。社会をより広い視野から見つめ、改革や改善に貢献したいと考えるようになりました。そこで研究者になることを考え、法学部の政治学科に転向しました。しかし、4年生の時に大学院入試に失敗し、両親の理解を得て1年間留年することになりました。その後も体調不良や試験の難関に直面し、2年間の留年を経て3度目の大学院進学が実現しました。この苦しい経験を振り返りながらも、あきらめずに頑張ってよかったと感じています。

留学経験は、これまでの日常や考え方に異なる視点をもたらします。多様性への理解や寛容さは、現代社会で不可欠なスキルです。将来、日本国外の人々と協力する機会がますます増える中、留学は必要不可欠です。グローバル化が進展する現代社会において、一度は留学することで、現地での生活や学びを通じて異なる視点を体験し、新たな価値を見出してほしい。

亜細亜大学 学長

永綱 憲悟

1980年東京大学大学院 法学政治学研究科第一種博士課程単位取得満期退学。1984年亜細亜 大学経済学部国際関係学科 講師、2001年東京大学大学院総合文化研究科客員教授、2010年 亜細亜大学国際関係学部長、学校法人亜細亜学園理事を経て、2021年から現職。学校法人 亜細亜学園理事を兼務。

https://www.asia-u.ac.jp/