眼科手術ひと筋20年
患者に寄り添う診療
医療法人護明会浅見眼科手術クリニック
緑内障や網膜硝子体手術、角膜移植、難しい白内障など年間約1300件以上の手術を行う「浅見眼科手術クリニック」。大学卒業から20年以上、一貫して眼科手術を専門としてきた浅見哲理事長に、思いを聞いた。
五感を重視したホスピタリティー
父が歯科医師で子どもの頃から医療を身近に感じて育ち、自然と医療の道を目指したという浅見理事長が眼科医となったきっかけは、大学卒業後の初期研修だった。「初期研修を受けた病院の眼科は、外科的な治療を多く扱っていました。眼科は他の臓器と比べて非常に小さいため、手術もミリ単位でとても細かくて大変でしたが、技術を磨くとやりがいも感じました」と語る。
その後、大学病院から市民病院勤務を経て、米ミシガン州のオークランド大学ウイリアム・ボーモント病院で、約2年間リサーチフェローを務め、帰国後も名古屋大学医学部附属病院や眼科専門病院で緑内障や網膜硝子体手術、角膜移植、難しい白内障など年間約1400件以上の手術を担当してきたという。「毎日何件もの手術を経験してきたので、今後は治療という面だけでなく、患者に寄り添ったサービスを提供していきたい」と20年以上の経験を持って、クリニックを開業した。
手術に対して不安を抱いている患者が多いと感じていたため、診察室では大きなモニターを使って病気の詳細、手術方法を丁寧に説明し、スタッフがコミュニケーションを取りながら検査を行うなど、不安や緊張を和らげる努力をしている。「患者との接し方はスタッフそれぞれに委ねているので、一人一人が何を必要としているのかを見極めて対応しています」と自信を見せる。
また、患者にリラックスしてもらうため、五感も大事にしているという。落ち着く内装やくつろげるソファを用意し、アロマの香りがする待合室には小型グランドピアノを置いて、音楽大学の学生が演奏するなど環境づくりに余念がない。「緊張を和らげ、少しでも癒しにつながるようホスピタリティーを大切にし、手術室でも聴きたい曲を流すなど、患者に寄り添うことを心がけています」と胸を張る。
そんな中でも日々進化する医療について、「今後は眼の病気の診断などもAIがやるようになったり、手術の支援ロボットなどもさらに発達したりと、人手不足を補ったり良い面もたくさんあると思います。しかし、ホスピタリティー、癒しということは人にしかできません」と言いきる。
眼の大切さを周知し、地域医療に貢献したい
人間は外界の情報の80%を目から取り入れているといわれているように、生活していく上で目はとても重要な臓器だが、「現代ではパソコンやスマートフォンなど、子供も大人も目を酷使することが多くなっているので、1時間に1回は目を休めたり、緑内障などの目の病気は遺伝的な要因もあるため定期健診を受けること、またそういった要因がなくとも30代以降は数年に一度は検査を受けてほしい」と呼びかける。治療や手術だけでなく、日頃のケアなどを啓発していく重要性も感じているという。
手術経験豊富な浅見理事長の元には、多くの医師が手術の見学に訪れる。「技術的なことから治療に関することまで、さまざまな質問をされることで、私自身の勉強にもなっています。満足してしまったらそれで終わってしまいますが、レベルアップするためには日々勉強して気付き、課題を見つけられるようにしています」と語る。そして「今後も目の前の一人一人の患者をしっかり診て、治療、手術を積み重ねていくことが、信頼につながる」と地道な努力を大切にしていく。
医療法人護明会浅見眼科手術クリニック理事長
浅見哲
1971年、名古屋市生まれ。名古屋大学医学部大学院卒業。名古屋大学医学部附属病院に勤務。その後、2年にわたり、米ミシガン州オークランド大学リサーチフェロー。2012年から名古屋大学眼科の医局長、2016年医療法人湘山会眼科三宅病院副院長。2021年、浅見眼科手術クリニックを開業。
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