人材を大切にする
派遣業で幸せを作る
株式会社エクシードジャパン
オフィスワークから専門業務のスペシャリストまで、ニーズに適した人材を派遣する人材派遣事業を軸に、採用活動をバックアップする求人広告事業やことりすまいるカフェ経営など、幅広く事業を展開する株式会社エクシードジャパン。同社では、派遣スタッフの約7割が無期雇用契約であるのが特徴だ。「人材は宝」だと話す嘉康一会長が見つめる未来とは――。
無期雇用契約で多種多様な人材を確保
クライアントが望む人材を派遣する従来の人材派遣のほか、従業員の約7割が無期雇用派遣という契約形態をとっている。派遣先での就業期間とともに派遣会社との雇用契約も終了する有期雇用派遣と違い、正社員同様に期間を決めずに雇用契約を結べるとあって、従業員の定着率も高い。「クライアントから当社のスタッフについて『がんばってくれる人が多い』をよく言われます。無期雇用だと安心感も違いますし、その分がんばろうと思える。スタッフからも『こんな派遣会社、ほかにないです』と言われたこともありました」と嘉会長は、無期雇用の導入は従業員のモチベーションアップだけでなく、クライアントへの良質なサービス提供にもつながっていると語る。
そういったメリットの一方で、無期雇用の派遣であるとクライアントから「派遣からの直接雇用が難しくなる」といった懸念の声もあるという。だが、嘉会長が「御社で欲しいスタッフがいて、当人も問題ないのであれば紹介します、と最初からお話しているのでもめることはほとんどありません。従業員にとっても、大手企業へも就職の機会がある、というのは大きなメリット」と話すとおり、派遣であってもキャリアパスを明確化。クライアントと従業員、双方の満足度を高められるような取り組みを行っている。
福利厚生制度を見直すなど従業員の働きやすさにも注力する嘉会長の源には、「人のために時間を使うことを惜しまない」という信念がある。嘉会長にとって、人材は「宝」。出会う人、一人ひとりを宝のようにじっくりと関わっていきたいという想いは、従業員に対しても同様だ。起業後、どんなときも支えになったのは従業員だったからこそ、「従業員には感謝の気持ちを忘れずにいたい。自分の一存で強引に推し進めることはせず、従業員一人ひとりのモチベーションを大切にしたいと考えています」と力を込める。
拠点を増やし10人の社長を作る
同社では現在の物価上昇に対応するため、従業員への給与値上げや住宅手当の支給など、さまざまな支援策を講じている。嘉会長は「今後10年を見据えたとき、そういった経済変動に耐えられる会社を作ることはもちろんですが、人材育成にも注力しなければいけないと考えています」と言い、現在の5拠点を拡大。10年後にはグループ会社として10人の社長を育成したいと意気込むが、社長として望む人物像はどんなものだろうか。「柔軟性はもちろんですが、僕が持つ『負けるが勝ち』という精神を共有できる人間。若いころはとにかく勝ちにこだわっていましたが、起業してからは負けることで得る勝ちの方が学びが多いと思うようになりました。そういった感覚を共有できる人間を育てていきたいですね。社長業にはプレッシャーも伴いますが、それでも社長になりたい、という夢を持つ人間をサポートしたいとも思っています」と、そのビジョンが従業員のモチベーションにもつながるはずだという。
ことりすまいるカフェ事業など、幅広く事業を展開する同社は、地域貢献やボランティア活動、LGBTへの取り組みなど、さまざまな社会的責任を果たす活動にも積極的だ。「特に力を入れていきたいのは、女性の活躍推進。今後は女性管理職の登用もさらに進めていきたいと考えています」と話す嘉会長だが、将来的には同社が全ての求職者の窓口になるような新たな人材サービスを作りたいという展望も持つ。「ITがどんなに発展しようが『人』がいなくなることはありません。当社に関わる全ての人たちの豊かさを追求し、その周りも幸せにできるような取り組みを進めていきたい」と、新たな目標へと熱意を燃やす。
株式会社エクシードジャパン代表取締役会長
嘉康一
1969生まれ。大阪府出身。17歳で社会に飛び出し、実家の鍛冶屋を手伝いながら、派遣社員として数多くの仕事を経験。営業職に就き、その後役員として会社の立ち上げを経験し、経営に興味を持ち始める。2005年にエクシードジャパンを設立。テレマーケティング事業と人材派遣事業を始める。
http://www.exceedjapan.co.jp/