【大学特集】
学術とスポーツの殿堂を目指して

中京大学

愛知県名古屋市と豊田市にキャンパスを持つ中京大学。運営母体である学校法人梅村学園の建学の精神「学術とスポーツの真剣味の殿堂たれ」を理念として掲げている。半世紀ぶりに理事長と学長を兼任している梅村清英学長は「学生たちには難しい時代をけん引していくリーダーになってほしい」と語る。

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迅速な意思決定で改革を進める

本学の教育の源流は水戸学にあります。今の茨城県にあたる水戸藩には、弘道館と呼ばれる藩校があり、「文武不岐」の精神を重んじました。文武不岐は文武両道とは異なりますが、類似した概念で、学園の創立者である梅村清光は、スポーツの世界を一般社会の縮図と捉え、スポーツで培った経験や人間関係が実社会に有益であると考えていました。学業だけでなくスポーツも重視し、教育に反映させたため、部活動も活発に展開しており、特にアメリカンフットボール部やサッカー部、水泳部、スケート部、硬式野球部、陸上競技部は「CHUKYO 6 SPORTS」として強化指定種目となっています。オリンピックなどの国際大会で経験を積んだ教職員も多く、トップレベルの選手と切磋琢磨できる環境が本学の特長です。

私も中京大学出身で、祖父や父が学園の経営に携わっていて、小さいころから陸上競技部などの学生が家を出入りしていたこともあり、本学と触れ合う機会が多くありました。祖父が理事長を務めている頃には、当時の中京高校(現在は中京大学附属中京高校)の野球の試合にも夢中になりました。甲子園大会に出場した際は、祖父とアルプススタンドで応援し、熱中したことをよく覚えています。このような経緯から、大学進学時までには中京愛が芽生えていて、自然と本学を選びました。

現在、私は梅村学園の理事長と中京大学の学長を兼務しています。これらの役職は異なる性格を持ちます。理事長はCEOに相当し、経営を担って人材、資産、資金を動かします。一方で学長は、10学部と大学院研究科を含めた教学の責任者です。兼務していることにはメリットとデメリットがあるでしょうが、迅速な意思決定を行い、改革を進められた面はあったと思います。当然ながら、兼任に伴い会議の数は増加しましたが、やりがいのある仕事に専念できることを励みに感じています。本学の発展のために全力を尽くし、使命を果たすことが、私にとっての喜びであり、誇りです。

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時代をけん引するリーダーシップを

本学では、自分から行動していけばいろいろなチャンスを経験できる場を用意しています。2023年度を最終年度として進めてきた長期計画では「自ら考え、行動することのできる、しなやかな知識人を育成する」という教育目標を掲げてきました。総合大学ならではの幅広い選択肢をもっていますので、この環境を生かし、ビジョンを持って自分で行動していってほしいと思います。

もちろん、何をしていいか分からないという学生も多いでしょうが、入学して1、2年はさまざまな経験をし、学年が上がるにつれ、絞り込んでいければいいと思います。社会に出たら待ったなしで人生の本番が始まります。大学4年間の経験をしっかり糧にして、前を向いてしっかり頑張ってほしいです。

2023年の学園創立100周年に続き、2024年は中京大学開学70周年という節目にあたります。この先、学園が50年、100年と続いていくためには、足を止めることなく走り続け、改革を進めることが大切です。

本学の学生たちも、難しい時代を生きていかなければいけません。学生たちには、時代をけん引していけるようなたくましさを身に付け、リーダーシップを持って周りを引っ張っていく人になってほしいと思います。重要なのは、前向きな気持ちを持ち続けるということです。人間ですから、ときにはネガティブな思考に陥ることもあるかもしれませんが、前向きな態度を保ちながら粘り強く努力すれば、どこかで道が拓けていきます。理想を追い求め続けることによって、そこに近づいていってほしいと考えています。

中京大学学長

梅村清英

1969年生まれ。中京大学経済学部卒業、中京大学大学院経済学研究科博士後期課程単位取得満期退学後、2005年9月博士(経済学)の学位を取得。その後、中京大学経済学部助教授、同学部教授、同学部長、学校法人梅村学園副理事長などを歴任。2013年10月より梅村学園理事長、2016年度より梅村学園総長。2021年度より中京大学長。

https://www.chukyo-u.ac.jp/