【大学特集】
二つの「ガク」を学び、
世界で活躍を

京都外国語大学

京都外国語大学は関西の中でも数少ない多彩な留学プログラムが特徴である。京都外国語大学の小野 隆啓学長は「二つの『ガク』という意味を通じて、自分のやりたいことを見つけ、それに向かって自ら歩みを進める人を育てる大学」と語る。

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学びの魅力を伝えられる教授陣

新しい伝統を築くためには、新しい創造力が不可欠です。その際、私たちは二2つの「ガク」に重点を置いた方針を採っています。一つ目は楽しいという意味での「楽」。二つ目は学びの「学」。この二つの「ガク」という意味を通じて、自分のやりたいことを見つけ、それに向かって自ら歩みを進める人を育てる大学です。

京都外国語大学はその名前から外国語を学ぶ大学と誤解されがちですが、英語で学校名を表現すると「Kyoto University of Foreign Studies」であり、「Foreign Languages」ではないことに留意が必要です。大学には「Foreign Studies」、つまり外国の諸事情を専門に研究し、その知識を実践に応用できるような教授陣が多数在籍しています。

自己推進力を養うことができる学生を育てるためには、学生が学びの中で喜びを見出して楽しいと感じることが重要で、多様な魅力を伝えることができる教授陣が充実していることが最大の強みです。

また、留学セミナーや留学プログラムにも力を入れており、2023年5月現在、国内では学生交流を目的とした三つの大学と提携し、海外では留学生の派遣や受け入れを含む41カ国・地域の183大学と協定を結んでいます。

さらに、2024年からは海外の協定大学への学部留学を必修とする英米語学科特別コース「ダイヤモンドコース」を新設します。この特別コースでは、3年生から1年間の留学が義務付けられ、コースを完結できれば2年生から4年生の学費が免除されるというコースです。世界がますますグローバル化している中、学生時代に留学を経験することは非常に有益です。この新しいコースを通じて、学生が異なる文化や言語を学び、国際的な視野を広げることが期待されます。

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やりたいことを見つける力を

学生の頃は、学長が何をしているのか疑問でしかありませんでした。実際にその立場になってみると、大学全体のさまざまな課題に向き合う必要がありますし、卒業生と関わる機会、講演会、学外の学長会議、公友会などに出席する機会も増え、非常に多忙な日々だということが分かりました。教育に関する自らの理念や、学生に対してやるべきことを具体的に実行できることは喜ばしいことであり、今もその使命に真っ向から取り組んでいます。

学生時代は、二つの「ガク」がまさに私自身を表していたと思います。高校生の頃は理系に進むことが希望でした。しかし、「虚数とは何か」でつまずき、多少英語ができたので、外国語大学に進学しました。大学3年生の時、必修科目の中で、「言語の中に科学が存在する」という発見がきっかけで、勉強という概念が一変しました。朝から晩まで英語の本や論文を読む姿は、周囲から見れば勉強熱心に映ったことでしょうが、私にとっては楽しくてしょうがなかったのです。つらいとか、もう続けたくないといった感情が全く湧かず、気が付けば英語の力も着実に身についていました。

好きなことが見つからないと感じる学生が多いようですが、何も始めなければ新たな発見もありません。まずは、さまざまな活動に挑戦し、途中で迷ったら前に進んでみましょう。そうする中で、必ず、自分に合ったものが見つかると信じています。見つけたら、そのことに思い切り取り組んでみてください。

一生を通してかなえたい夢や、やりたいことを見つける力を身に付けることが重要です。他人と比較するのではなく、自らが満足し、充実感を感じることが人生の豊かさにつながります。進んで挑戦し、未知の領域に踏み込むことで、新たな可能性が広がることでしょう。

京都外国語大学学長

小野 隆啓

1979年サンフランシスコ州立大学大学院 English(Language Studies)修了。80年京都外国語大学大学院 外国語学研究科 英米語学専攻 修士課程修了。83年京都外国語大学 外国語学部 英米語学科講師、教授、学科長。2017年京都外国語大学大学院 外国語学研究科 研究科長、学部長を経て、22年から現職。

https://www.kufs.ac.jp/