特性や資質が分かる
個性學を企業経営に

株式会社日本個性學研究所

自身が確立した人の個性を見出す法則「個性學」を軸に「組織における適正と能力」を解明してきた株式会社日本個性學研究所の石井憲正代表。生年月日によって人の個性を認識するユニークな個性學を生かし、企業コンサルタントやセミナー開催などを行う石井代表は「個性學こそ企業経営に活用すべきもの」と力を込める。

01

生年月日から資質が分かる

石井代表が個性學の研究を始めたのは、大学を卒業後に就職したコンピューターのソフト会社でSEの採用に関わったことがきっかけだった。SEに適性があるのはどういった人物なのか、人の適性を知る方法がないことに悩み、それを解決するために「組織における適正と能力」を考えるようになったという。

「たまたま義兄の持ってきた生年月日で性格を分析するという内容の本を見せられて、それがすごく当たっていた。そこから、さまざまな国の占いなどを徹底的に調べ、生年月日を基準に考察すると、SEとして採用した人の中で残っている人は、必ずある特性を持っていることに気付きました」と振り返る。その後、生年月日のその特性に着目して採用を行ったところ、退職者がゼロ。そこから研究を深めていったという。

生まれ持った特性や能力を客観的に理解し、それを磨き発揮することで、自らの生活に生かしていく個性學だが、石井代表は、「一人ひとりの幸せ」「スムーズなコミュニケーション」「個人と企業(組織)の成長」をテーマに個性を研究。その研究結果を総称して個性學と呼んでいる。

「個性學理論体系を完成させたのは、会社の設立から約5年後。人との縁が大きく作用したのもあって、奇跡の連続でした。最初は占いでしたが、科学的なアプローチによる検証結果など、学び続けた結果が個性學理論体系になりました」と話す。

石井代表は、占いとの違いは「人間の幸せの形が分かるかどうか」だという。「占いは当たるも八卦(はっけ)、当たらぬも八卦で、今自分の迷っていること、その一瞬を解決するための道具ですが、個性學は人間が幸せになるためにはどうしたらいいのか、それを追求した学問で、一瞬ではなく、人生すべてを見通すためのものというのが大きな違いです」と説く。

02

後継者選びにも活用

これまで個性學を活用し、経営者に向けたセミナーやコンサルティングを数多く担ってきた石井代表は「経営者の悩みの90%は社員のこと。個性學があれば、その悩みを解消できる」と胸を張る。「悩みの多くは、人の問題ですから。個性學で、その人の資質が分かれば適材適所や人間関係の改善がかなう。個性學は、比較をしないことも特徴です。誰かと比べるのではなく、『あなたにはこういう特徴があるからこの仕事ができるはず』といったように、その人個人の個性を把握して、社会や企業での役割が分かる」と解説する。

2024年2月には、後継者の個性から事業承継・マネジメントを考える新感覚の経営書「後継者」(クロスメディア・パブリッシング)を出版。経営者が後継者を選ぶときの指針をお互いの個性やその相性の面から考察した。ニデック、ファーストリテイリング、ソフトバンクグループといったカリスマ創業者が担う3企業の後継者問題を考察している。石井代表は「カリスマ創業者3人には、どういった後継者が最適なのか。それを個性學で紐解きました。そのほか、全国の経営者が後継者に悩んでいることは事実なので、私の顧客の事例を10社ほど挙げて考察しています。今まで事業継承や後継者選びがうまくいかなかったのは、もしかしたら個性に目を向けていなかったのが原因かもしれません。儲けること以上に個性にあった経営をすること。それが後継者選びに必要になってくるはず」と語る。

「生まれ持ったものを生かし、ストレスなく幸せに生きられる状態を目指すために、もっと多くの企業に個性學理論を活用してほしい」という石井代表。「人の育成や採用などに頭を悩ませているなら、個性學に目を向けてほしい。その人の特徴や資質を生かしてもらえば、もっと多くの人が幸せになれるはず。また、子どもの教育やスポーツなど、個性學は広範囲に応用できるのも強みの一つ。今後、個性學が本格的に学術機関や企業で研究され、人間の内面の研究が飛躍的にすすむことも期待しています」と展望する。

株式会社日本個性學研究所代表取締役

石井憲正

1946年生まれ、鳥取県出身。1977年、ソフトハウス創業、1985年、石井個性學研究所設立、1989年12月に個性學理論体系完成。以後普及活動、個性學理論で企業のコンサル、セミナー開催、個性學資格者養成、個性學理論を応用したアプリを開発販売している。

https://koseigaku.com