塩の価値を知って
シニア世代の活躍を

日本薬泉株式会社

石垣島で天日塩「星塩」の製造、販売している日本薬泉株式会社の冨山悦昌代表は、老人ホーム運営の経験から、「シニア世代にいつまでも元気で活躍してほしい」と願うようになったという。「塩の価値を見直してほしい」と語る冨山代表に思いを聞いた。

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石垣島の天然塩と奇跡的な出会い

ミネラル豊富な石垣島の天日塩「星塩」の製造、販売に力を入れる冨山代表は、特別養護老人ホームを運営していた経験が塩に着目する出発点だったという。冨山代表は1998年、少子高齢化社会の解決に役立ちたいと社会福祉法人を設立した。「老人ホームでさまざまなお年寄りの姿を見ていく中で、健康であれば高齢者も役に立てることがある」と強く実感した。健康の維持には食べるものが第一だと考え、2001年に日本薬泉株式会社を立ち上げ、大学の研究者とともに健康食品の共同開発をスタートした。サプリメントに使う冬虫夏草の人工培養で使う蚕のえさとなる桑の葉を探すために石垣島に行った時、島で作ったという塩をもらった。「石垣島の塩はミネラルが豊富だから甘さを感じると聞き、いろいろと勉強する中で、人間が生きる根本には塩があるということを知りました」と語る。

その塩を老人ホームの入居者にも食べさせたいと購入していたが、「健康に生きるにはどうしたらいいのか、ということを探す中で石垣島の塩に行き着いた。この塩に出会えたのは奇跡だなと感動した」と製造、販売を担うことになった。
石垣島から見える満天の星空をイメージして名付けたという「星塩」は、一般流通する塩に比べて天然のミネラルが豊富なことが特徴だ。「塩の原料になっている海水は世界でも有数の青サンゴの群生地となっている場所で採取しており、それを直接日光にあてる天日干しで製造しています。すべて本物にこだわっているのが強みです」と胸を張る。

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「本物を口にする」ことが大事

シニア世代がもっと活躍できる世界に、という願いから「星塩」を手がけようになった冨山代表は「さまざまな場面で高齢者が語り部となって進めていくべき部分がまだまだあると感じます。老老介護といった問題も健康寿命が延びれば解決する。今は若い子どもたちが自ら命を絶ってしまうことも多いですが、戦後、生きることに精いっぱいだった時代を生きてきた高齢者だからこそ、人間として生まれてきたからには大事にしてほしいこと。生きる力など伝えていけることもある」と力を込める。

冨山代表は「生き方や見るものを変えれば判断も変わるということを子どもたちに伝えていきたい。100歳まであと20年あるので、まだまだ描いている夢はたくさんあります」と意気込む。

「本物作りに専念しているため、わずかしか作れないという部分は今後改善していきたい。塩を通じて食べるものと健康についての関わりを皆さんに知ってほしい。命はお金では買えませんが、健康は買える部分もある。命を守るための健康ですから。自分の血や肉になるものにお金をかける。本物を口にする。それは体だけでなく、心のバランスも整っていく」と訴えている。

日本薬泉株式会社代表取締役

冨山悦昌

1941年、大阪府出身。1959年、高等学校卒業と同時に商事会社で働き始め、1963年に防災事業の会社を設立。市議会議長などを務め、1998年には社会福祉法人を設立し、老人ホームを開設。その後2001年に日本薬泉株式会社を設立。著書に『人生が変わる塩』(幻冬舎メディアコンサルティング)。

https://www.n-yakusen.com/