子供たちのために
時代に即した保育事業を
株式会社マザーグース
東京・神奈川を中心に複数の保育園とベビーシッターの請負業、事業内保育施設の委託など、保育全般で幅広く事業を展開する株式会社マザーグース。2024年に創業30周年を迎え、新たにお金の価値観を教える子供向けの起業スクールを構想中だという柴崎方惠代表に聞いた。
口コミとご縁、タイミングで事業を拡大
柴崎代表は、結婚後、仕事と子育てを両立させるためにベビーシッターを探したところ、納得できるサービスが見つからなかったをきっかけに、1994年、神奈川県茅ケ崎市でベビーシッター請負業を起業した。「自分が必要だから、という理由が一番でした。いい人がいたらいいなと思って探していたら、周りからも必要だという声があがって、じゃあ作っちゃおうという感じでした」と笑う。
マンションの一室で始めたベビールームは口コミで広まり、評判を呼んだ。パンフレットを持ち込んだ大磯プリンスホテルが、箱根近辺のホテルを紹介してくれたこともあり、知名度が上昇。ほどなく茅ヶ崎市立病院の院内保育の委託の依頼がきた。現在では同病院を含めて七つの院内保育室を運営。さらには、フランチャイズでも保育施設を展開している。
「最初にパンフレットをお渡ししたホテル以外、ほとんど営業はせず、ご縁やきっかけをいただいたことがつながっていきました。フランチャイズも問い合わせがなかったら始めていなかったと思います。私自身子育て中でしたから、子供との時間も大事にしたくて、あんまり大きく広げようとは思ってなかったんです。子育てが一段落するまでは委託を中心で、その後子供が巣立ったタイミングで認可保育園の話がきて、本格的に拡大していきました」と振り返る。
お金の価値観を教えるスクールを新設
自身のライフスタイルと合わせながら、保育事業を軸に堅調な成長を続けてきた。2024年には創業30周年を迎える。柴崎代表は新たに子供向け起業スクールの展開を構想している。対象は2歳から小学生まで。根本的なお金の使い方を学ぶスクールだという。「『三つ子の魂百まで』と言いますが、集中して覚えられる時期にしっかりとお金の価値観を教えたい。アメリカだと子供たちがレモネード売りでお金の使い方を学んだりしますが、日本ではそういった機会があまりないなと。ファイナンシャルプランナーの方による投資教室もいいとは思いますが、まずはボードゲームのような感覚で楽しく学べるもの。コミュニケーション能力も同時に身につけられるものを考えています」と語る。
また、起業スクールは今後、子供たちが必要とするであろう総合的に生きていく力の一つにもなるはずだという。「世界中どこにいっても生きていける力をつけるためにも、お金の勉強は必要。暗号通貨になっても、お金は一生ついて回るものですから」と力を込める。
ベビーシッターから事業内保育施設、認可保育園などの保育事業だけでなく、高齢者向けハウスケアサービスまで手がける。今後は「お金の勉強だけでなく、運動能力や計算能力などいろいろなものを組み合わせた、独自の保育事業を展開していきたい」と意気込む。そして最終的な目標はリゾート地に老人ホームと保育園との融合施設を作ることだという。「高齢者施設を訪問すると、入所者がすごく喜んでくれる。普段、子供と接点がない方も多く、みんなパッと表情が明るくなるんです。相乗効果をさらに高められて、みんなが元気になれる施設をつくりたい」と展望する。
新たな事業を次々と切り開く活力の源は「新しいことを生み出すのが好きなこと」と笑顔で語る。「インスピレーションがポンと降りてくるので、それを皆さんに伝えようという思うだけですね。ほとんどが運と勘。お声がけやきっかけをいただいたら、そのタイミングを逃さず、いいものだと思ったら実行する。それだけですね」という。
モットーは「やりたくないことはしない。わくわくドキドキ、楽しいことしかしないんです」という柴崎代表。「自分の直感を信じながらさらに大きく飛躍したいですね」と新たな挑戦を続ける。
株式会社マザーグース代表取締役
柴崎方惠
大学を卒業後、ソニーに入社。結婚後、夫の事業を手伝うためにベビーシッターを探すも、納得できるサービスが見つからなかったことから1994年に神奈川県茅ケ崎市でベビーシッター請負業を起業。1998年より院内保育室の委託を開始。その後、2003年よりFC事業、2015年より小規模保育事業をスタート。ほかにシルバー向けの家事代行サービスなどを展開。
https://mothergoose.jp/