「道徳経営」を軸に
日本経済の危機回避
株式会社BUSINESS SUPPORT WORLD
福岡を拠点にコンサルティング事業を展開するBUSINESS SUPPORT WORLDの別府美千代代表取締役会長は、クリニックや飲食業、商工会議所での経営指導など国内外で幅広く活動する。別府会長は「損得ではなく、道徳経営が軸」と強調する。
「損得でではなく、善悪で動く」
これまで多くの企業の立て直しに関わってきた別府会長は、すべての基本は「損得で動くのではなく、善悪で動く」だという。「68億円という負債を2年間で黒字化した案件をきっかけに、コンサルというよりは経営トレーナーのようなやり方を実践しています。軸になっているのは道徳経営。徳を積む道、と書きますが経営上の利益を上げるだけでなく、“ご利益”を生む。自分の会社だけ、ではなく、周りと共有して、みんなが羽ばたくような土台を作ることが一番大事」と語る。
そこには、別府会長自身の反省もある。「社長になった瞬間、みなさん“自我病”を患ってしまう。自分がやっている感を出すというか、鼻高々になってしまって裸の王様なのに気づかない。誰も言ってくれる人がいないと孤独の道を歩むことになる」と指摘する。
コンサルタント業を軸に、飲食やクリニックのほか、台湾で税務関係のサポートをする法人を設立するなど国内外で活躍する別府会長は、「時間と命を削っているかもしれないですね」という言葉通り、自宅での食事と睡眠時間以外はすべて“誰かのための時間”であり、プライベートの時間はほぼゼロだという。「トップになる才覚がない。“自我病”が出てきてしまう。足るを知る、ではないが、コンサルのような人を下支えする参謀の仕事が適任なんです」と笑う。
「日本を『和国』に戻す」
海外で活動する別府会長は、各地の商工会議所で講師や理事を務めた経験から、「女性の活躍を推進しているといっても、日本はまだまだ男性社会。会食などでお酌をするなど、肌に合わなかった。今、会食やゴルフなどをご一緒するのは心がきれいな人と決めています」と言い切る。
本格的な海外進出からは約10年。現在は台湾とカンボジアに拠点があるが、台湾には特別な思いを持つ。「自分は台湾に助けられた人間。台湾で風水に出会わなかったら、もっと偏った人間になっていたと思う。この人と一緒だったら得になる、という考えで動いていたかもしれません」と話す。
また、2005年に出版した著書で日本経済に警鐘を鳴らしていた別府会長は2028年ごろには消費税が15%に。2032年にはG7から脱落。2043年には特権階級だけが守れるシールドができていて、それがない一般市民はどうするか、という問題に直面する」と危機を予測する。それを避けるためには「日本を『和国』に戻すことが必要」だという。
「和を持って生きる人たちが集まれば、正しく生きていける。その兆しが日本にはある。でも、そこには自分らしい柔軟性と社交性が必要になる」と語る。別府会長は「風水の考えを生かして、他人を愛する心で幸せになってほしい」と力を込めた。
株式会社BUSINESS SUPPORT WORLD代表取締役会長
別府美千代
大手販促会社のMD/SP出身。独立後、1996年に法人化し、地域活性化や商工業の実施アドバイスなど、商工会議所等の経営エキスパート講師。幅広く活動を展開。自身も実業家として日本4社、海外3社の経営を手がけるかたわら、企業経営者の良き参謀として、国内外での事業拡大を支援している。
http://www.businesssupport.jp/